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反核兵器で連合する宗教

The civil society forum organised by the International Campaign to Abolish Nuclear Weapons (ICAN) on Dec. 6 and 7 in the Austrian capital Creidt: Kimiaki Kawai/SGI【ウィーンIPS=ジュリア・レイナー】

「すべての宗教が連合して自らの英知を引き出し、その結合した巨大な知の宝庫の利益を国際法と世界に提供することが今ほど必要とされている時はありません。」

これは、元国際司法裁判所(ICJ)判事で1997年から2000年までは副所長を務めたクリストファー・ウィラマントリー氏の言葉である。オーストリアの首都で核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)主催で12月6日・7日に開催された「市民社会フォーラム」の一環で開かれた宗教間会議「希望を灯し勇気を奮い起こす―核兵器廃絶へ宗教者の連帯」での発言だ。

ウィラマントリー氏は、核兵器が過去50年において世界を戦争から救ってきたと主張する人々の議論を批判した。

ウィラマントリー氏は核兵器により絶えず存在する危険について指摘し、多くの場合において、破滅的な核事故や壊滅的な核戦争の勃発が防がれてきたのは幸運に過ぎないと語った。

この宗教間会議には、「核兵器は宗教のあらゆる原則を侵害する」と指摘したウィラマントリー氏のほか、ムスタファ・チェリッチ氏(ボスニア・ヘルツェゴビナ・イスラム共同体最高指導者)、エラ・ガンジー氏(マハトマ・ガンジーの孫で平和活動家)、アケミ・ベイリー=ヘイニー氏アメリカ創価学会インタナショナル婦人部長)など、様々な宗教指導者がパネリストとして登壇した。

様々な問題に関連して宗教団体の間にはしばしば立場の違いがあるようだが、パネリストの全員が、道徳的な義務を明確に打ち出し、全ての宗教に本質的に備わっている類似した価値観を宣言した。

Mufti Mustafa Cericムスタファ・チェリッチ氏によると、「信じるかどうかという問題ではなく、地球の破壊を座して待つつもりなのかどうかという問題なのです」という。

チェリッチ氏はまた、「人類の目標と価値は共通の道徳的・倫理的基準によって特徴づけられます。その意味で、今日の宗教団体の役割はかつてないほど高まっています。」と強調するとともに、「社会における恐怖と不信に直面して、宗教団体には、世界の平和と安全をもたらす責任があります。」と語った。

アケミ・ベイリー=ヘイニー氏は、母親が1945年の広島の被爆者であるという自身の経験から、感動的な発言をした。

「核兵器が抑止力あるいは戦争における実行可能な選択肢とみなされているとき、すべての人間が無限の可能性を有していることが根本的に否定される発想があるように感じます。他者の尊い命を奪う権利など誰にもないのです。」

Akemi Bailey-Haynie, national women’s leader of the Buddhist organisation Soka Gakkai International-USA. Credit: SGIベイリー=ヘイニー氏にとって、核兵器は大量破壊以外に何の目的も達しない。ヘイニ―氏は、「核兵器は人間や環境に壊滅的な影響をもたらし、核事故や核テロの可能性は否定できません。」と指摘した上で、「(核問題に関して)異なったあるいは反対の見解を持つ人々の間での対話が、この問題に変化をもたらす第一歩となるのです。」と語った。

「被爆二世として、最も非人道的な兵器である核兵器が禁止されている時代にまだ生きることができないのは、悲しくもあり、怒りも覚えます。」

ノーベル平和賞受賞者で南部アフリカ聖公会のケープタウン元大主教であるデズモンド・ツツ氏は参加者に送ったビデオメッセージで、ICANの市民社会フォーラムの取り組みに深い連帯と支援を表明した。

Hiroshima Aftermath/ Wikimedia Commons広島・長崎原爆の犠牲となった人々を追悼する最良の方法は、核兵器を完全に禁止して同じようなことが二度と起きないようにすることです。」とツツ氏は語った。

エラ・ガンジー氏とムスタファ・チェリッチ氏の2人のパネリストは、12月8日・9日に開催された「第3回核兵器の非人道性に関する国際会議」にも出席した。

Mahatoma Gandhi/ Wikimedia Commons そこでエラ・ガンジー氏は自身の祖父マハトマ・ガンジーの精神においてスピーチを行った。そして「もし彼がまだ生きていたならば、核兵器廃絶運動に加わっていたでしょう。」と語った。

マハトマ・ガンジーは、紛争に対処するために非暴力的な方法があると人類に説くことに人生を捧げたが、1946年に核兵器を非難して「原爆の精神性は不道徳的で、非倫理的で、中毒性で、唯一悪のみがそこから生まれるものだ。」と述べている。

核兵器が存在するだけでも、ライバル国による同様の軍備につながると指摘したエラ・ガンジー氏は、こうした核戦力は将来の世代が生き延び豊かな生活を送るチャンスを奪いかねないものだと警告した。

第3回核兵器の非人道性に関する国際会議」は、160か国以上の政府代表と核の犠牲者、市民社会の参加者による、活発でしばしば心を動かされるような議論の場であった。とりわけ、米国と英国がはじめてこの会議に公式参加し、両国の核兵器が討論と批判の対象となった。

Pope Francis/ Wikimedia Commons宗教は会議において重要な役割を果たした。多くのロビー集団が宗教的背景を持ち、開会式ではフランシスコ法王のメッセージが伝えられた。

「人間の心に深く根付いている平和と兄弟愛への思いが具体的な形で実を結び、私たち共同の家のために核兵器が完全に禁止されるようになると信じています。」とフランシスコ法王は語りかけ、「核兵器なき世界は真に可能だ」との希望を述べた。

SGI平和運動局のプログラムディレクターである河合公明氏は、2日目の一般討論の席上、核兵器廃絶を求める宗教コミュニティーを代表して共同声明を発表した。「核兵器の廃絶は道徳的義務であるだけでなく、人類の種としての価値を決定づける究極の指標であります。」

「核兵器の存在を容認し続けることは、私たちが人間としていかなる存在であり、どれほどの潜在力を有するかについて、より広く温かい心で考える能力の発揮を妨げます。人類は、紛争解決のための新たなる方途を見つけなければなりません。」と河合氏は語った。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

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