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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

津波が来たらツイートを

 

The devastation left by the 2004 tsunami has been a catalyst for countries to re-examine early warning dissemination. Credit: Amantha Perera/IPS.【コロンボIPS=アマンサ・ペレラ】

 

2011年3月11日に巨大な津波が宮城県気仙沼市を襲ったとき、避難先の中央公民館の屋根に上った内海直子さん(59)の手元にあった外界との連絡手段は、電池切れ寸前の携帯電話のメールだけであった。

 

内海さんからメール(「火の海 ダメかも がんばる」)を受けた夫は次に、9500キロ以上離れたロンドンにいる息子の直仁さんにメールを打った。直仁さんがロンドンからこの緊急事態をツイッターで発信(「『拡散お願いします!』障害児童施設の園長である私の母が、その子供たち10数人と一緒に、避難先の宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ取り残されています。下階や外は津波で浸水し、地上からは近寄れない模様。もし空からの救助が可能であれば、子供達だけでも助けてあげられませんでしょうか。」)したところ、このメッセージが猪瀬直樹副知事(当時)の目に留まり、急遽、東京消防庁による、屋根に避難した彼の母親を含む400人以上の救出が始まったのである。この話は、メディアや情報拡散に関する国際NGOインターニュース」の報告書『最後の1マイルとつながる:東日本大震災における通信の役割』で紹介されている。

 

報告書は、津波発生後に効果的に通信を行う上で、新しいメディア、とりわけツイッターフェイスブックといったインターネット・ベースの形態が果たした役割について検証している。

 

「インターニュース」人道情報プロジェクトの責任者ジャコボ・キンタニーラ氏は、「ツイッターやフェイスブックのような新しいメディアは、ハイチの例や、現在シリアでまさに起こっている事態に見られるように、災害対処の準備や緊急事態への即応において果たす役割が大きくなってきています。自分の生存を他人に知らせたり、生存者に対して食料配給所位置を教えたりできるのです」とIPSの取材に対して語った。

 

日本南部のツイッターユーザーたちは、津波が襲った最初の1時間のうちにハッシュタグを作成し、それがのちに、支援を求めたり支援活動の指示を行ったりする人にとって、ツイッター上のキーワードとして機能した。

 

「ツイッター・ジャパンは特定の情報に関するタグを作成した。ツイッターの世界的ネットワークは、津波によって取り残された生存者の捜索・救援を促した。」と、インターニュース報告書は指摘している。

 

グーグルは津波から90分後に安否確認サービス「パーソンファインダー」を立ち上げた。このツールには、5000人のボランティアが参加し、90日後の公開までに60万人以上の被災者の個人情報が入力された。また、「インターニュース」の報告書は、フェイスブックの情報が生存者と彼らを探す人々との間で個人の情報を素早く交換することに役立ったとしている。

 

3・11から6年前の2004年12月26日、インドネシアからスリランカ、インド南部沿岸を大きな津波が襲った(インド洋大津波)。それ以来、3月11日14時46分の地震発生から毎分1万1000件以上発せられたツイッターのメッセージのようなものが強く求められていた。

 

スリランカ東部マラダムナイの生存者らは記者に対して、津波から2週間たっても、誰に支援を求め、誰に死亡・行方不明者の情報を尋ねたらよいかわからなかった、と話していた。

 

このアジアの津波によって引き起こされた死と破壊は、スリランカのような被災諸国に、早期警戒情報伝達システムの再考を促した。災害時と被災後における新しいメディアの役割が、注目されるようになったのである。

 

スリランカの専門家らは、数百万人とは言わないが、数千人に早期警戒情報を伝える最善の方法は携帯電話だと指摘している。

 

スリランカ赤十字協会(SLRCで早期警戒システム・即応問題に関するプログラム責任者を勤めるインドゥ・アベヤラタネ氏は、「伝播力の強い携帯電話がもっとも効果的だ」とIPSの取材に対して語った。

 

また、スリランカのような国では、携帯電話とインターネットによる通信が、早期警戒と予報に関する大きな空白を埋めるかもしれない、と考える専門家もいる。

 

「次々と明らかになったのは、『予想あるいはリスクアセスメント上の失敗』ではなく『通信の失敗』でした。ユーザーが情報を深く知り、情報発信者に到達する可能性を持った、タイムリーで個別ニーズに応じた情報が必要となっているのです。」と、「環境気候技術財団」のラリーフ・ズベアー主席研究員(気候変動問題専門家)は語った。

 

全国規模の災害対応を監視するため2005年に設置された「災害管理センター」(DMC)は、今ではスリランカ最大の携帯電話企業「ダイアローグ」と接続され、数百万人の契約者にメッセージを送ることができる。このシステムが前回使用されたのは2012年4月12日。この日、津波の警戒情報により一部の海岸で住民が避難した。

 

DMCのサラト・ラル・クマール副所長は「ある条件の下だと効果を発揮します。」と語った。ツイッターやフェイスブックといったより高度なメディアの効果は、地理的な位置関係や、誰がもっとも大きなリスクに晒されているかといったことなど、さまざまな条件に依存している、という。日本ですら、犠牲者の多くが新しいメディアをほとんど使わない高齢者が占めた東日本大震災(死亡者の65.8%が60歳以上の高齢者)では、こうしたソーシャルメディアの効果も限定的なものにならざるを得なかった。

 

「インターニュース」の報告書によると、インターネットや携帯電話を使った通信は大きな能力を持ってはいるが、その効果は、電気が使えるか、それらがどの程度浸透しているかといったことによって決まるという。

 

インターネットの浸透率が11%であるスリランカでは、その効果は都市圏以外ではほとんど期待できない、とクマール氏はいう。スリランカ政府は、警官を動員したりハンドマイクを使ったりと、早期警戒情報を伝えるためにさまざまな方法を使っている。2012年4月には、早期警戒タワーやDMCの地域職員派遣、赤十字など他団体の利用が試みられた。

 

SLRCのアベヤラタネ氏は、「どの方法が他の方法よりも効果的だったか判断するのは難しい。」と指摘したうえで、「スリランカのように技術へのアクセス状況が土地によってかなり異なっている国では特に、従来の方法と新しい方法を組み合わせることが重要です。」と語った。

 

アベヤラタネ氏もクマール氏も、タワーを設置したり携帯電話で知らせたりして早期警戒の能力を高めることは結構なことだとしつつも、テレビやラジオといった伝統的なメディアの能力を高めることも同様に重要だと語った。

 

「インターニュース」のキンタニーラ氏は「結局、多くのプラットフォーム、多くのチャンネルを使ったアプローチが必要だということです。」と語った。(原文へ

 

翻訳=IPS Japan