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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|メディア|2006年度IPS国際功労賞:コフィ・アナン氏が受賞

【国連IPS=タリフ・ディーン】IPS

 

国連事務総長として10年にわたる任期を務め、12月末に退任するコフィ・アナン氏が、2006年度IPS国際功労賞(International Achievement Award)を受賞した。

コフィ・アナン氏は19日、国際連合本部で毎年開催されるインタープレスサービス (IPS)が主催する授賞式で、約300人の国連スタッフ・各国大使・NGO団体代表など多数の参列者を前に「この10年間を振り返り、これまでの自らの活動を皆様に認めて頂けたことを非常に感謝しています」と挨拶した。

アナン氏は受賞直後にナーネ夫人と休暇を過ごすため旅行に出かける予定であることにふれ、「すでに旅行カバンは荷物でいっぱいなので、私はこの賞-つまりノーベル賞ではなく、IPS国際功労賞のトロフィーを文字通り手荷物として持ち運びながら旅立つこととなります」と語った。

 
IPS国際功労賞は特に国際メディア機関が主催する賞であるだけに、非常に光栄に感じております。この場を借りて、参列者の皆様や私の友人そして(私を非難した)一部のマスコミ関係者の方々に最後のお別れを言いたいです。これまで長い間、私を執拗なまでに常に注目し続けてこられた方々、ご苦労様です」と皮肉交じりに語った。

2001年、アナン氏は国際連合と共にノーベル平和賞を受賞。これは同氏にとって国連事務総長時代に受賞した中で最も栄誉ある賞だ。

アナン氏は44年もの間、国連の中堅職(WHO行政・予算担当官)から最高ランクの役職(国連事務総長)までを経験している。国連事務総長に任命される前は、国連事務次長補(平和維持活動担当)そして同事務次長を歴任した。

アナン氏は「(近年疑惑として指摘されている)不正・汚職問題のみならず、国連が果たしてきた何ものにも代えがたい有益な活動実態を伝える手段として、 IPS のような報道機関の力があったおかげで、私はこの賞を授賞できたのだと思います」と述べた。

アナン氏は壇上のマリオ・ルベトキンIPS事務総長の方を向き「国連事務総長、ガーナ人、そしてアフリカ人として、私はIPSの報道活動を常に高く評価してきました」と語った。

IPSによる国連の取材・報道と私が国連に勤務しはじめたのは奇しくも同時期になります。それ以降IPSが一貫して開発途上国の視点という独自の切り口で報道を続け、国連の活動を大切に考えている多くの人々と我々との(意見交換や情報収集のための)パイプ役を果たしてくれました」と語った。

アナン氏は(特に米国の大手ケーブルニュースチャンネルで新保守系のFOX Newsなど)一部の新聞社をこき下ろして、「もちろん全ての報道機関が平等な視点で報じているわけではありません。私が今、『FOX Awards』『Friends Awards』などといった賞ではなく『IPS国際功労賞』を受賞しようとしているのは単なる偶然ではないでしょう」と皮肉を述べた。この発言で会場は笑いと歓声に包まれた。

ルベトキン事務総長は「 IPS理事会は昨年7月、平和・安全・開発・女性のエンパワーメント・人権といった分野への多大な貢献を称え、アナン氏に2006年度のIPS国際功労賞を授与することを決定しました」と説明した。

またルベトキン事務総長は、「国際通信社IPSは、設立以来42年間に亘って開発途上国との国際協力の質的向上を目指して活動を続けてきた背景から、アナン事務総長が、世界の貧しい国々における国連ミレニアム開発目標(『極度の貧困と飢餓の撲滅』、『HIV/エイズ蔓延の阻止』、『環境破壊の拡大防止』等)達成に一貫して尽力してきた姿勢を高く評価してきました」と述べた。

IPSはこれまでアナン事務総長や国連の業績を追い続け、世界150カ国以上(22言語)を網羅する世界でも有数の規模を誇るIPS取材・報道ネットワークを通じて、それらの記事を配信してきました」

「そして本日、我々はアナン氏が、世界平和、政治的安定、人間の尊厳の確立、人間開発の追求といった、まさに1945年の国連設立の理念を追求すべく類まれなる指導力を発揮してこられたことに敬意を表します」

IPSは未来に関してアナン氏と同様の理念を有する国際通信社として、アナン氏の掲げるコミットメントを支持することで、(貧困や飢餓との闘いやHIV/エイズの撲滅に取り組む)貧困国への関心を高めることが必要であると考えてきました」

「またIPSは、アナン氏の環境の持続可能性確保への確固たるコミットメントも高く評価し、国際人道法の保護・尊重の義務などアナン氏の一貫した人権擁護の活動も支持しています」

「さらに(アナン氏が推進する)女性のエンパワーメントの向上は、社会の発展や自由の享受といった重要な問題に対処するためには欠かせないものです」と付け加えた。

ルベトキン事務総長は、アナン氏が自らの人生の3分の2以上を国連活動に捧げてきたこと、そしてこの多大な尽力は現在世界で60億人以上もの人々の希望や理想を具体化し続けていることも指摘した。

ルベトキン事務総長は「IPSは1964年の設立以来、国連やその他国際機関の活動の理解を深める上で重要な貢献を果たしてきた、高い知名度を誇る国際通信社です」と述べた。

さらに「アナン氏の国連事務総長としての任期は12月末に終わりますが、人類の発展に対するアナン氏の貢献は今後も続くものと期待します。我々も将来の展望を世界中に発信するための手段を、アナン氏に提供し続けていきます」と付け加えた。

今回の授与式での基調講演者、南アフリカ共和国のドゥミサロ・クマロ国連大使は「(1985年のIPS国際功労賞の創設以来)20年間、IPSは世界中の貧困者や社会から取り残された人々の現状を正確に捉え、問題提起を行ってきた(IPSの賞を受賞するに値する)人物や団体を捜してきました」と説明した。

世界最大の開発途上国連盟組織『グループ77(132カ国加盟)』の議長でもあるクマロ国連大使は「2006年度のIPS国際功労賞の受賞がアナン氏に決まったことに関して、私はIPSが『この賞を最も受けるに相応しい人物』と判断してアナン氏に授与したのではないかと思います」と語った。

「開発途上国の現状を伝えることは簡単なことではありません。この問題は非常に込み入った部分もあるため、大ニュースとして取り上げられることもありません。しかし、IPSは設立当初からこのような問題を積極的に世界へ配信してきました」

「開発途上国は技術や知識・資金の不足により、長年先進国からの搾取を受けてきました。しかし国際的なメディアを有する先進諸国は、この事実を彼ら自身の視点だけで伝えているのが現状です」

「我々のように国連で働く人間でさえも、新聞・ラジオ・テレビの見出しを検索してどの記事を支持するべきか否かについて悩むこともあります」

「また、現在国連で議論されている議題について、国連自身の資金が先進国側の大手メディアからの情報収集として利用されることもあります」

「従って、大国のメディアが作り出した意見に流されることなく、独自の視点から『世界』を見てこられたアナン氏の数々の功績は実に素晴らしい」と語った。

IPS
国際功労賞は1985年に創設された。同賞は過去に、元南アフリカ大統領夫人のグラッチャ・マシェル氏(1998年)、元フランス大統領夫人のダニエル・ミッテラン氏(1991年)、ブトロス・ブトロス・ガリ元国連事務総長(1996年)、マルティ・アティサーリ元フィンランド大統領(1994年)、 GCAP(Global Call to Action Against Poverty : 貧困をなくすアクションを求める世界的呼びかけ活動)(2005年)が受賞している。(原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩