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|ネパール|『ヒンズー王国』の終焉

 

【カトマンズIPS=ダマカント・ジェイシ】

ネパール共産党毛沢東主義派 (Communist Party of Nepal: CPN)
は23日、240年続いてきた王政を廃止することで正式合意した。これにより毛派は本格的な政権復帰へと向かう。

毛派最高指導者プスパ・カマル・ダハル(別名プラチャンダ)議長は24日、取材に対して「我々が政権に復帰する日は近い」と語った。

 
王政廃止の問題に関してはネパール主要7党のうち暫定政権を率いるネパール会議派 (NCP)と毛派(マオイスト)との間でこれまで何度も話し合われてきた。そして23日(日曜日)、7時間に及ぶ議論の末、王政廃止が決定し、悪名高いギャネンドラ国王の独裁体制に終止符が打たれることになった。

王政打破を掲げて10年余り武装闘争を展開してきた毛派は、ネパール政府が『共和制』を宣言しない場合は制憲議会選挙を妨害すると脅していた。しかし、昨年11月の包括和平協定の調印により武装闘争を終結、さらには暫定政権入りを明らかにしていた。

和平協定の中で3万人以上の兵士と武器を国連の監視下に置くことに同意した毛派にとって、最大の懸念は王への忠誠を固持する一部の軍が制憲議会選挙を妨害し勢力を拡大し続けることであった。

しかし、ネパール会議派を含む各党が制憲議会選挙の開催前に共和制を宣言することを拒否したことで毛派も態度を和らげた。毛派を含む主要各党が王政廃止に関する23項目で合意に達したことから、ネパールは制憲議会の第1回会合後、正式に『連邦民主共和制』へと移行する。制憲議会選挙は来年4月中旬に実施される見通し。主要7政党は、まもなく具体的な予定を発表することで合意した。

1回目の制憲議会の実施までギリジャ・プラサド・コイララ首相は全権を掌握し、これにより国王の全ての政治権限は剥奪されることになる。

さらに、主要政党は制憲議会の議席数601の過半数にあたる335を比例代表枠に充て、小選挙区制で240議席、残りは首相による任命で26議席にすることで合意に達した。

政治評論家クリシュナ・カナル教授は「ネパールは共和制になるのが当然であり喜ばしいことだ」とIPSの取材に応じて語った。

しかし、同教授は王政廃止をめぐる議論が予想以上に時間を要したことについて「民主化闘争が高まりを見せ、ギャネンドラ国王が国民への権力移譲を発表した2006年4月以降、すでにこの国は『共和制』へと移行を始めていたはずだ」と述べた。

一方、国王を支持する陣営からは王政廃止の確定直後に反発の声が上がった。国民民力党(RJP)議長のスリヤ・バハドル・タパ元首相は今回の決定を受け入れがたい事態であるとし、国民の意思に反していると激しく非難した。

5回の首相経験を持つタパ氏は、月曜日の暫定議会で「これは国民に対する人権侵害であり、民主主義の根本的規範を揺るがす行為だ」と語った。

タパ氏は、与党6党と毛派との間で以前に合意された取り決め(第1回の制憲議会ではあくまで多数決により王政の在り方を決定すること)を実施するよう訴え続けている。

もう1つの王政支持派政党、旧パンチャーヤット党(RPP)Pashupati Shumsher Rana党首は「決定は国民が行うべきだ」と王政廃止確定に反対を唱えた。しかし、旧王党派のRPPも党の規則から君主に関する内容を全て削除することを決めた。

1768年初代国王プリトゥビ・ナラヤン・シャー国王が興したシャー王朝の長い歴史に幕が引かれ、かつてはネパール最大与党であったネパール会議派も連邦共和制の導入に向けて動き出した。国民に不人気のギャネンドラ国王やパラス皇太子の退位および旧憲法の改正を目的とした4月の暫定政府の発足直後には、協議内容は主に王政廃止に関するものになった。

しかし、今から僅か2年前は立憲君主制のもと絶対権力を掌握していたギャネンドラ国王や軍の力は無敵のように思われていた。

ネパールの君主制は、2001年6月のネパール王族殺害事件の悲劇から立ち直ることはなかった。国民の多くは今でも、ギャネンドラの甥が7名の王族を惨殺した後に自殺したとする政府の調査内容を信じていない。

王族殺害事件後、ギャネンドラは王位に就く。ギャネンドラ国王は2005年2月、毛派による暴動を鎮圧できなかった政府に責任があるとして当時の首相を解任。全権を掌握し絶対君主制を導入した。

しかしその後、激しさを増す民主化闘争を受けて、2006年4月直接統治を断念し議会の復活に同意する。ギャネンドラは軍の支配権を剥奪され、政治権力も全て手放すこととなった。

現在では軍トップの幹部さえも制憲議会の判断は全て受け入れる覚悟であると語る。『世界最後のヒンズー王国』の終わりである。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

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