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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|軍縮|核廃絶への取り組みに地雷禁止の経験を(ノーベル平和賞受賞者ジョディー・ウィリアムズ女史インタビュー)

【国連IPS=クリソ・ディアンジェロ】

 

戦略兵器削減条約(START1)が昨年12月に失効して以来、米ロ担当者は、後継条約の合意に向けた交渉を活発に進めてきた。米国政府筋によると、後継条約が発効すれば両国の核弾頭配備数はおよそ4分の1削減される。

ヒラリー・ロッダム・クリントン米国務長官は、3月18日モスクワで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と、米国とソ連(当時)が冷戦期の1991年7月31日に締結したSTART1(昨年12月に失効)の後継条約について協議した。

「核不拡散体制の推進に責務を持つ米ロ両国が、核分裂物質の安全確保と核テロの脅威に対抗する世界的な取り組みに、パートナーとして協力し合うことは特に重要である。」とクリントン長官は語った。

今回の米ロ外相会談は、来る一連の核軍縮協議に先立って行われた。4月には12日・13日の両日にワシントンで核安全保障サミットが、5月には3日から28日にかけてニューヨークで核不拡散条約(NPT)運用検討会議が開催予定である。

「私たちは政府の美辞麗句を聞かされているのです。しかし行動を伴わない言葉はあまり役には立たないのです。」と、ジョディー・ウィリアムズ氏は語った。ウィリアムズ氏は1997年の対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)実現に尽力した地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)の創立者で、その功績から同年ノーベル平和賞を受賞している。

「政府は、市民が結束して圧力をかけない限り、自ら行動を起こすことはありません。世界には核兵器を保持し続けようとするあまりにも多くの既得権益が存在するのです。」とウィリアムズ氏は語った。

以下にインタビューの抜粋を紹介する:

Q:
対人地雷全面禁止条約は、38カ国において地雷生産を停止させ、世界で4200万発の対人地雷を処理するなどかなりの成果を収めました。この成功モデルは核軍縮にはどのように生かすことができるでしょうか?

A
:対人地雷全面禁止条約は、当時私たちが、地雷禁止という共通の目標の下に幅広い市民社会組織を結集することで実現を見ました。地雷禁止国際キャンペーンでは、一般の市民が政府に対して変革を求める圧力をかけたのです。核軍縮を実現するためには、このような幅広い一般民衆に支えられた運動が必要です。しかし、私は武器禁止分野における市民社会の取り組みの現状には多少批判的な意見を持っています。私が見たところ、核拡散防止という一つの目標に、十分な数の市民社会組織が結集しているとは思えないのです。もちろん私のこうした発言は活動家の友人たちにとって快いものではないと思いますが、これが草の根活動家としての私の率直な見解なのです。

Q
:どうしてそう思われますか?

A
:私たちが地雷禁止国際キャンペーンを展開した際の利点は、当時において地雷除去や被害者への義肢提供を行っている団体はあったものの、地雷禁止に取り組んでいる団体が皆無だったことです。いわば私たちは前人未到の領域に挑むことができたのです。一方、核兵器禁止に関しては、既に数十年に亘って取り組んできた団体が多数あることから、目的実現の暁にはどこがクレジットを受けるべきかといった縄張り意識のようなものが見受けられます。

Q
START後継条約を支持しますか?

A
:完全に支持します。私は、米ロ両国が、4月の核安全保障サミットか5月のNPT運用検討会議前に、後継条約の締結に漕ぎつけることを望んでいます。

Q
START後継条約交渉に対する欧州諸国の反応はどうでしょうか?

A
:欧州の一部の国々の反応は素晴らしいと思います。ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェーの5カ国は、米国が欧州から核弾頭を撤去することを望んでいます。一方で、チェコ共和国とポーランドはソ連(現在のロシア)との歴史的に苦い経験から、米国の核の傘を失うことに複雑な感情を持っています。

私は、世界の核兵器の大半を所有している米ロ両国が、5月のNPT運用検討会議の場で、既に核兵器の保有を放棄した国々に対して、核兵器を保有しないよう更なるコミットメントを求めるという所業がはたしてできるものなのか、不思議に思います。率直に言って、もし私が核兵器の保有を放棄した国の代表だったとしたら、米ロ両国がそのような態度に出た場合、怒りを露わにすることでしょう。

Q:
インド、パキスタンといったNPT未締結国が5月のNPT運用検討会議で果たす役割があるとすればどのようなことが考えるでしょうか?

A
:もし私がインドの代表だったとしたら、傍観を決め込むでしょう。なぜなら米国は(米印原子力協力を通じて)自らNPTを蔑にすることで今日の国際社会が偽善の上に成り立っていることを証明しました。米国は(NPT枠外で核保有に至った)インドに対して核技術の提供を合法化したのです。一方でこのような行為を正当化しておいて、他国に対しては同様の行為を行わないよう求めるなど、どうしてできるでしょうか?このような所業は、あたかも「この辺りのボスは自分だ。核兵器も自分が最も多く所有している。だから君たちは私がやりたいように行動することを認めればいいのだ。」と言う苛めっ子の論理だと思います。

Q
:イランに対する(国際社会の)対応には2重基準があると思いますか?

A
:はい。イランの核開発疑惑については、イラン側に糾弾されてしかるべき意図がないとはいいきれませんが、明らかに2重基準が適用されていると思います。しかし一方で、政情不安定な中東のイランの立場から、ブッシュ政権による対イラク及び北朝鮮政策を見るとどのような結論が導き出せるでしょうか?ブッシュ政権は大量破壊兵器の存在を大義名分にイラクに侵攻しましたが、結果的に大量破壊兵器は発見されませんでした。一方、ブッシュ政権は核武装した北朝鮮に対してはなにもしませんでした。イランが自衛のために核兵器が必要と考えたとしても不思議ではありません。

Q
:イスラム世界の国々が核兵器を保有することに対する恐れはどれほど現実的なものでしょうか?

A
:核兵器を新たに取得する国が世界のどこかに現れることに対する恐れは現実的なものです。現在34カ国が原子力発電所建設に必要な核関連技術の習得を求めています。そしてその多くが、懸念されている中東地域の国々です。言えることは、核技術を習得すれば、遅かれ早かれ核爆弾の製造が可能となるということです。(原文へ)(アラビア語


翻訳=IPS Japan