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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|日米合意|核なき世界を目指して

【ワシントンIDN-InDepth News=アーネスト・コレア】

 

バラク・オバマ大統領が、就任後最初のアジア歴訪で日本を訪問した際、この史上唯一の被爆国と、その原爆を投下した米国は、「核なき世界」に向けて協力していくことを固く誓いあった。

こうした歴史的背景を有する日米両国が、核廃絶に向けて協力を誓いあったことは、特別な意味合いと説得力をもつ。またこのことは、過去にとらわれるよりも未来志向の歩み寄りの方が、より創造的な協力関係を可能にするという教訓を国際社会に示している。

 
核軍縮はオバマ大統領の今回の公式訪問における最優先課題であり、「核兵器なき世界に向けた共同声明」は日米両国政府の見解と希望を具現化したものであった。両国政府は、今日の国際社会における核軍縮に対する関心の高まりを歓迎するとともに、「核なき世界」実現に向けた決意を改めて確認した。


オバマ大統領にとって、この共同声明は核軍縮が世界平和と安全保障の礎となるとの自身の信念を確証するものであった。ノーベル賞委員会は、オバマ氏の核軍縮へのアプローチを評価し、ノーベル平和賞授与決定を通知する公式声明の中で、「オバマ氏が、核なき世界を構想し実現へ向け努力したことに対し、ノーベル賞委員会は特別な重要性を見いだした。」と述べている。


一方日本にとって、核軍縮を強く訴えることは、自国の被爆経験を国民に想起させるとともに、このような人間の悲惨がいかなる国に於いても繰り返されてはならないとする国是を再確認するものであった。


これに関して、鳩山由紀夫首相とオバマ大統領は、日米が主導的な役割を果たした先の国連における軍縮イニシャティブ(①核不拡散及び核軍縮に関する国連安保理首脳会合、②国連安保理決議第1540号及び第1887号、③米国が共同提案国となって日本が
国連総会第1委員会に提出した「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」決議:IPSJ)で獲得した国際社会からの支持を歓迎した。両国首脳は、核軍縮を進めるための条件を整えるために実際的な取組みを行っていくことを誓った。以下に、両国首脳が共同声明の中で表明した具体的な措置を要約する。


今後の諸措置:


核軍縮について:米国政府はロシア連邦との交渉を通じて
START(戦略兵器削減条約)後継条約の早期締結を引き続き追及する。日米両政府は、核兵器保有国に対し、国家安全保障戦略における核兵器の役割を低減させる措置をとるよう要請する。また両国政府は、核保有国が、核軍縮の過程における透明性、検証可能性及び不可逆性の原則を尊重するよう要求する。

核不拡散について:日米両国政府は、核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の重要性を再

確認するとともに、2010年NPT運用検討会議がNPTを強化し、国際不拡散体制におけるNPTの中心的役割を回復させるために協力する。また両国政府は、同NPT運用検討会議がNPTの3つの柱である核不拡散、原子力の平和利用及び核軍縮のそれぞれについて現実的で達成可能な目標を勧告するよう期待する。


核実験禁止条約について:日本政府は、
包括的核実験禁止条約(CTBTの批准を目指すとの米国政府の意図を歓迎し、また、日米両国政府は、CTBTの早期発効を達成するために協力する。また両国政府は、兵器用核分裂性生産禁止条約(カットオフ条約)の即時交渉開始及び早期妥結を追求することを決意する。

北朝鮮について:日米両国政府は、北朝鮮による核兵器の追及は引き続き東北アジア及び国際社会全体の平和と安定に対する重大な脅威と認識している。両国政府は、不可逆的かつ検証可能な朝鮮半島の非核化に対するコミットメントを再確認する。両国政府は、
6カ国協議が引き続き最も有効な枠組みであることを強調し、北朝鮮に対して直ちに無条件で6カ国協議に復帰することを要請する。


イランについて:イランの核活動、特にコム付近の新たな濃縮用施設の建設が最近発覚したことは、イランの核計画の性質に関する国際社会の懸念を強めた。日米両国政府は、国連安保理決議に基づいて包括的で長期的な解決を追求する。


核セキュリティについて:両国政府は、米国政府が開催する2010年核セキュリティ・サミットの成功に向けて協力するとともに、核セキュリティを強化するための地域的な取組みを促進する。日本政府は、2010年1月に東京において、アジア諸国を対象とした核セキュリティ会議を開催する。米国政府は、この取組み及び日本政府が12月に核セキュリティ・サミットに向けた次回準備会合を開催することを歓迎する。


核テロリズムについて:両国政府は、核テロリズムの脅威が引き続き存在することを認識しつつ、民生用の核物質及び原子力施設が最も高いレベルの防護を得ることを確保するとのコミットメントを再確認する。両国政府はまた、世界のすべての脆弱な核物質の管理を向こう4年以内に徹底するための取組みを支援することを約束する。


国際原子力機関について:両国政府は、
国際原子力機関(IAEAの取組みに対する支持を表明するとともに、間もなくIAEA新事務局長に就任する天野之弥大使の選出を歓迎した。両国政府は引き続き、IAEAが重要な任務を遂行するうえで必要とする資源、権限及び検認能力を確保するために協力する。

原子力の平和利用について:日米両国政府は、拡散のリスクを高めることなく各国が平和的な原子力にアクセスできるようにするため、共同で及び他の国々と協力して、核燃料供給保障を含む民生原子力協力のための新たな枠組みを推進する方法の探求に取り組む。


リーダーシップ:


数年前、ある国の外務大臣が、「もし国際社会が自らに正直であれば、国連本部の外に原爆記念碑を建てるだろう。」「その原爆記念碑は、今日の世界における核保有国の存在とその能力こそが、地球全体の破壊をもたらすという現実を知らしめることとなる。そうすることが世界平和を保証する最善の策なのだ。」と語った。


新聞記事の見出しは、もちろんこうした所見から生まれるものである。しかしながら、薄弱な口実で戦争が闘われ、理性的な正当性らしきものもなく国々が侵入される暴力に満ちた今日の世界においては、潜在的な核破壊能力を「平和への保障」と過信して依存することは、少なく見積もっても、危険な賭け以外のなにものでもない。


長年に亘って、核保有国の存在は必然的なものとして受け入れられてきたが、近年になって核軍縮を求める声が徐々に力強い支持を集めている。その背景には、核廃絶を求める市民社会の運動やそれを支持する国際機関内の貢献があった。核廃絶という目標に向けた日米両政府のコミットメントは、こうした流れの中でさらなる新たな一歩を示すものである。


日米のリーダーシップは、向こう何年にもわたって平和と安全保障に対する永続的な貢献となるかもしれない。この新たな始まりを記したオバマ、鳩山両首脳は賞賛されてしかるべきだろう。(
原文へ


翻訳=IPS Japan浅霧勝浩



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