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|映画|歪んだレンズで描かれる1982年の虐殺事件


【ワシントンIPS=アリ・ガリブ】

アカデミー賞外国語映画部門に正式ノミネートされているイスラエルのドキュメンタリー・フィルム「バシールとのワルツ」が米国で拡大上映されている。同映画は、1982年西ベイルートで起こったサブラ・シャティラ虐殺に関係したイスラエル国防軍(IDF)兵士の心的外傷後ストレス障害を描いている。

最初のシーンは歯をむいて唸りながら道路をかける26頭の犬。彼らは、同映画の製作者アリ・フォルマンの友人で元IDF兵士ボアズ・レイン・ブスキラが1人たばこを吸っているバルコニーの下に集まって来る。


そこから場面は2006年のイスラエルのバーに移る。フォルマンは酒を飲みながらレイン・ブスキラとしゃべっている。と、陰鬱なアニメシーンが現れる。これがフォルマンの創作的試みだ。レイン・ブスキラの声に被さって、彼の回想がアニメで表現されるのだ。イスラエルの西ベイルート占領時代、闇に紛れてレバノンの村々に侵入するイスラエル部隊のため、彼は吠える近所の犬を射殺する命令を受けたのだ。

 
フォルマンは事件について何も憶えていなかったが、車で帰宅する途中、急にサブラ・シャティラ虐殺の場面が蘇る。しかし、彼はそれが記憶なのか幻覚なのか定かではない。


イスラエル占領軍は西ベイルートのパレスチナ難民キャンプサブラとシャティラを取り囲んで封鎖し、ファランヘ党民兵に難民殺害を許したのだ。彼らはキリスト教徒のバシール・ジェマイエル大統領暗殺の報復のため、パレスチナ難民を殺した。
 

 
フォルマンはそこから、記憶の再構築を始める。彼はレバノンに入り、戦車の後ろから銃を乱射した。彼と仲間の兵士は夜、裸で水泳をする。彼らが目の窪んだゾンビの様な姿で水から上がると、目の前のスラムがイスラエルの攻撃で真っ赤に燃えている。


その後フォルマン監督は、IDFの他の友人、心理学者、現場に居たビデオ・レポーター等とのインタビューを通じ事件の真相を組み立てて行く。そして最後に、アニメーションが難民キャンプ包囲の実写ビデオに変わる。


先週アル・ジャジーラが放送したガザの地上攻撃はサブラ・シャティラ封鎖の光景と重なる。「バシールとのワルツ」は公平な歴史の理解と殆ど語られていないイスラエル側の心の傷を描いている。同映画を見ると、現在19歳のIDF兵士が25年後に心的外傷後ストレス障害に悩まされるのだろうかと考えてしまう。


イスラエルのドキュメンタリー映画「バシールとのワルツ」について報告する。(原文へ


翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩


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