www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|軍縮|核兵器のない世界という新たな約束

【ベルリンIPS=ラメシュ・ジャウラ】

 

米ロの首脳が、戦略兵器削減条約(START)に代わる新たな核軍縮条約に取り組む意志を発表したことで、軍縮を推進するリーダーたちは新たな光明を見出している。

ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領とアメリカのバラク・オバマ大統領が共同声明を発表したのは、ロンドンで催された20カ国・地域(G20)首脳会合開催前夜の41日。世界の95%の核兵器を所有する米ロ両大統領は、「我々両国は、核兵器のない世界を実現するため、約束を交わした。」と言明した。

 
4月16日と17日にローマで開催された会議に参加した世界の著名な軍縮支持者たちは、核廃絶に向けたこの新たな趨勢をさらに前進させることに賛同するだろう。「核の危機を超えて」と題したこの国際会議には、約20カ国から70名の現役・元政府高官や専門家が参加した。


この国際会議を共催したイタリアのフランコ・フラッティーニ外相は、米ロ首脳の共同声明について、「軍縮と軍備管理に対する新たな勢いを創出するものであり、2010年に開催される核不拡散条約(NPT)運用検討会議の成功に向けた全参加国の協力意識を高めた。その他の核保有国もアメリカとロシアに続くべきだ。」と述べた。


フラッティーニ外相はまた、「軍縮及び核兵器不拡散に関する諸条約を完全に履行すること、とりわけNPTを順守することが、(核廃絶という)私たちの目標達成に向けて本当の意味で前進を図るための必要不可欠な条件となる」と語った。


「しかし、その道のりには数知れない障害が立ちはだかっている。」と
ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領は警告した。1985年から1991年に亘ってソビエト連邦共和国(当時)の最後の最高指導者を務めたゴルバチョフ氏こそ、ロナルド・レーガン米国大統領(当時)とSTARTを署名した人物である。


世界政治フォーラム(WPF)の会長を務めるゴルバチョフ氏は、「国際関係を非武装化する必要性、軍事予算の削減、新型兵器開発の禁止、そして宇宙での武装を防ぐという話し合いを行わない限り、核兵器のない世界についてどんな話をしたとしても、単なる筋の通らない美辞麗句で終わってしまう。」と語り、米ロ両国に対してそのハードルを取除く努力を強く促した。
 
Gorbachev foundation
 
ゴルバチョフ氏の手によってイタリアのピエモンテ州で創設された国際非政府組織(NGOWPFは、今回、本国際会議を
核脅威イニシアティブ(NTIと共催した。WPFの渉外担当役員、ロベルト・サビオ氏は、「WPFは文化、宗教、世界のリーダー、及び市民社会組織の代表が集う交流の場を提供している。こうした相互に依存しあう課題に対する分析をオープン・フォーラムで行うことで、新たな世界の政治的な枠組みが形成される」とIPSに語った。米国を拠点とし、核・生物・化学兵器の拡散や使用のリスクを軽減することで、世界の安全保障の強化を目指すNTIは、CNNのテッド・ターナー氏と元上院軍事委員会委員長、サム・ナン氏が共同で議長を努めている。

この会議では、核のない世界を築く、という山の頂に至るまでの、ベースキャンプを設けることを提案。これらのベースキャンプは、核兵器のない世界に向けた最良の道筋を考案するためのプラットフォームを提供するだけでなく、軍備管理や安全保障協力といったその他の分野においても支援策を討議する場として、核兵器のない世界へと導く役目を果たすだろうと、ゴルバチョフ氏、
ジョージ・P・シュルツ氏(レーガン政権下の1982年~89年に国務長官を務めた)、フラッティーニ外相は共同声明を発表した。

同会議の声明では、核兵器のない世界というビジョンを受入れ、核がもたらす脅威を克服するため早急に手を打つ必要があるとの意識が、政府の内外から高まっている、とある。


東京に本部を持つ仏教団体、
創価学会インタナショナル(SGI平和運動局長・寺崎広嗣氏はIPSの取材に対し、「国際政治の場で、非現実的なビジョンとしてしか捉えられていなかった核廃絶への流れが生まれていることは、極めて重要なチャンスの到来だ」と述べた。

ICANSGI
は、2007年9月から「
核兵器廃絶へ向けての民衆行動の10年」を、1985年にノーベル平和賞を受賞した戦争防止国際医師会議IPPNW:60カ国から集う医師組織の連盟)が立ち上げた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN等の国際反核運動と協力し、スタートさせた。


核兵器廃絶への民衆行動の10年の目的は、核兵器の存在を拒絶する人々を増やすことにあります。核兵器を拒否する一般市民や市民社会こそが、核廃絶を求める世論のうねりを作り、政策決定者に影響を与える主体者である。」と寺崎氏は語った。


SGI
はこのローマでの国際会議に参加した三つの民間団体のうちの一つ。他の2団体は、1500団体超の市民社会組織や地元当局のネットワークを結ぶイタリア平和円卓会議(Italian Peace Roundtable)と、米国に本拠を置き核軍縮、特に核の軍備管理・拡散防止・軍縮を焦点に、法律に基づく国際安全保障協力の強化を目指す
世界安全保障研究所(GSIである。

GSI
所長のジョナサン・グラノフ氏はIPSの取材に対し、「現状、化学兵器や細菌兵器は世界的に非難されているにも関わらず、それよりもっと恐ろしい核兵器は、非難されることなく、9カ国(イギリス、フランス、ロシア、中国、カナダ、米国だけでなく、インド、パキスタン、北朝鮮)で容認されている。こんなことは一貫性に欠け、支持できるものではない。」と語った。


また、「唯一の解決策は、世界のすべての国が、この恐ろしい兵器の使用を許すのか、廃絶させるのかを選択することだ。明らかに前者は受け入れられない。」と述べた。


IPS
の取材に対し、元インド外務次官で軍縮専門家の
ラリット・マンシン氏は、「誰も核廃絶を5年後に実現させる、といったような夢のような期待はしていない。世論を整え、主役である米国とロシアが実際に行動するよう、周りが説得しなければいけないと自覚しているからだ。両国が行動すれば、世界から核兵器を廃絶するという頂きへ、徐々に進むことができるだろう。」と語った。


翻訳=IPS Japan



関連記事:

|核兵器廃絶|ノルウェーが新たな動きを模索