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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

普天間問題に見る鳩山首相の「本当の問題点」(石田尊昭)

IPS東京=石田尊昭】

 

普天間問題が完全に行き詰まった。

メディアには「首相退陣」の文字がおどる。「5月危機説」がにわかに現実味を帯びてきたようだが、政局の話は少し横に置いておこう。

普天間問題に見る鳩山首相の本当の問題点とは何だろうか。

総選挙時の演説で「国外へ。最低でも県外へ」と主張し、首相になってからは「最後は私が決める」と自信あり気に語り、その後も、時折余裕とも思える笑みを浮かべながら決意を語り続けていた。

 
政権交代直後から、水面下で様々なルートを通じて米国や地元とアクティブな交渉に入り、その成果が実りつつある、あるいは道筋が見えつつあることから、上記の自信に満ちた言葉・姿勢になっているに違いないそんな希望的観測を僕は持っていたが、まんまと裏切られてしまった。「甘かったと言われれば、そうかもしれない」。奇しくも首相と同じセリフが頭をよぎる。

この普天間問題においては、首相の言葉の軽さ、二転三転する主張、本人も認めた認識の甘さ、リーダーシップの欠如などが指摘・批判されている。それらはいずれも事実だが、問題の本質はそこではないと僕は思っている。

批判されるべきは、「行政府の長として、国民への説明責任を全く果たしていない点」ではないだろうか。

以前、当ブログで、マニフェストで約束された政策が二転三転することに対して、開かれた政策論議を行ない、首相が説明責任を真摯に果たせば、国民は理解を示すのではないか、と述べた。

つまり、政策を変更せざるを得なくなった場合、「なぜ、そうしなければならないのか」について充分かつ説得的な説明がなされるか否かによって、国民の首相に対する見方が百八十度かわる可能性があるからだ。

この普天間問題で、首相の述べた「抑止力についての認識が甘かった」とか、ましてや「『県外』は公約ではなく個人的見解」などという物言いは、「説明」ではなく「釈明」だ。それを聞かされた国民は、どう反応すればいいのか。ただただ、この人で大丈夫だろうか、という不安が募るだけである。

その政策の何が問題だったのか。分析内容か、交渉プロセスか、実施体制か。何が原因で、どう見誤ったかを明らかにする(=自ら把握する)ことによって初めて、同じ轍を踏まないための指針・戦略を再構築することができる。

それを国民に明示し、真摯に「説明」すれば、少なくとも「釈明」するよりかは理解が得られるだろう。

それとも、「説明」できるだけの分析・整理が未だなされていないのか。さらに、する意図も能力もないとなれば、怒りを通り越し、虚脱感におおわれてしまう。そうでないことを願うばかりだ。

石田尊昭(IPS Japan理事

*原文は石田尊昭和ブログに5月8日に掲載されたものです。

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