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|メディア|「今こそ地球規模のグラスノスチを」とゴルバチョフ氏

【ベネチアIPS=サビーナ・ザッカロ】

 

ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領が、地球規模の金融危機とその他の緊急課題によって気候変動問題へのメディアの関心が薄れる危険に対し、警鐘を鳴らした。

「今回の金融不安による実体経済への影響は大きいだろうが、間違いなく予測可能だったものであり、現在のさまざまな開発システムに拡大している危機のひとつの様相に過ぎない」と旧ソ連の元大統領でノーベル平和賞受賞者のゴルバチョフ氏は、IPSのインタビューに応じて語った。


「実際に、関連し合って同時に起こる危機が急速に増えいる。それはエネルギー、水、食糧、人口、気候変動、生態系荒廃などに関するものだ」

 
地球の資源は限られていて枯渇しつつあるため、限りない成長という考え方は幻想だと実証されていると同氏はいう。「この問題に取り組むにはふたつの方法がある。真実を口にせず不人気な政策を先延ばしにするか、人々に真実を告げて間に合ううちに改革のためにともに行動を起こそうとするかだ」


「現在の厄介な状況においては環境保護について話すことさえ難しいが、人々には話さなければならない。環境保護問題の衝撃は過ぎ去っていくものではなく、社会がその解決プロセスに関わらなければならないからだ」とゴルバチョフ氏はいう。「そのためには、人々に何が起きているかを解説するメディアに、より高いレベルの独立性と民主主義が求められる」


「産業界には真実を沈黙させるために簡単に金を出すものもいるが、それだからこそ、地球規模のグラスノスチが今求められている「グラスノスチ(情報公開)とはゴルバチョフ氏がペレストロイカ(改革運動)を進めたときのスローガンであり、社会的政治的責任について民衆を教育しようという目的があった。


ゴルバチョフ氏によると、良い情報がなければ「社会意識が生まれず、地球規模の危機という脅威に解決策を見つけるのは非常に困難になる」。この問題は、グローバル化の主要プロセスを監視するためにゴルバチョフ氏が設立した、地球規模の知識人のイニシアティブである「
世界政治フォーラム」がイタリアのベネチアと協力して主催した2日間の会議の席上で話し合われた。世界各国の第一線の専門家やメディアの代表が、こうした問題について世論を形成する上での、メディアの役割について討論を行った。


この会議(3月の基調会議に続くメディア会議)は10月10~11日にベネチア(サン・セルボロ島)で開催され、気候変動の影響について人々の理解を向上させるよう国際的なメディアに呼びかけた。


「時間は刻々と過ぎていく」とゴルバチョフ氏はいう。「私たちの地球が直面している緊急の環境問題に取り組むためにもっとも有効な手段は透明性であり、そこにメディアが果たすべき役割がある」


気候変動に関する議論においてジャーナリズムの機能は、「気候変動の本質的な真相を絞り込み、視聴者にその真相を説明することだ」と会議の最終文書で専門家たちは合意した。


議論は気候変動について真実を求めていく上でメディアの中心的な責任を指摘した。「調査報告を行っていくことで、報道機関は地球温暖化の議論における単なる傍観者ではなく、積極的な参加者になるべきであり、政治家や科学者に知りえた真相を人々に伝えるよう促すべきだ」と最終文書は述べている。


専門家は、ニュース速報を報道するという枠を超えて、「過去、現在、未来の予測」のあるプロセスとしての気候変動に関する報道を積極的に行うよう、ジャーナリストに求めた。


また、環境の変化は経済や政治問題に比べて過小報道されることが多いと指摘された。「けれども経済と環境は対立する問題ではなく、双方両得の解決策に至ることは可能である。これは世界が理解し始めていることだ」と国際政治問題に関する地球規模のシンクタンク、ローマクラブのマーチン・リーズ事務局長はいう。


「産業界もまた、環境を重視しても利益が減少することはないと気づき始めた。ジュネーブに本部のある持続可能な開発のための世界経済人会議はすでに、業績を上げている産業のリストを作成している」と同氏は語った。


「人間が地球の生物資源の125%を利用していることは知られている。今、掘り下げていくべき問題は、気候変動が資源にどのような影響を及ぼすかということである。10年で気温が0.1度上がれば、15%の種が影響を受けると分かっており、ニュース報道は気候変動の影響と同様にそのスピードが重大な問題だと強調すべきだ」


専門家によると、詳細な情報があれば人々の強力で迅速な対応を引き出せる。「バリ(で開かれた気候に関する国際会議)から始まり、2008年は大きな約束の年となった」とドイツの国会議員で欧州議会の気候変動臨時委員会の副会長であるレベッカ・ハームズ氏はIPSの取材に応じて語った。「けれども欧州の機構の中では、公式発言とそれを実現する政治的意志とのギャップの大きさが問題になっている」


2007年にEU各国の政府は二酸化炭素(CO2)排出を2020年までに1990年のレベルから20%、他の経済大国間で国際的な合意があればさらに30%まで削減すると確約した。


「こうした提言は加盟国政府と産業界の大きな圧力のもとで作成された」とハームズ氏はいう。「そのため欧州議会の交渉のテーブルに上がった時点で最良の提案ではなくなっていて、最初から妥協していた」


議会の中では気候問題に懐疑的な人々とより意欲的な気候政策を支持する人々との間の戦いが続いているとハームズ氏はいう。「交渉がどのように決着するかは分からないが、この状況を考えると、期待されるよりも弱腰の規制を伴う弱腰の成果になるだろう」


ハームズ氏は「弱腰の(気候に関する)解決策であっても、最終的な共同宣言は大きな成功を言い立て、すべての政府はこれを支持し、非難の声が多少あったとしても耳を傾けられることはないだろう」と懸念する。


メディアが支援できる役割について問われたハームズ氏は、「こうした困難なプロセスを人々が理解できる言葉に翻訳できるジャーナリストやメディアが本当に必要になるだろう。各国政府が大きな成功だというときに、非難する声があるのはなぜかを説明するのは、容易ではない」


「一般的に、私の考えでは、気候の目標に関する議論と、エネルギーと供給の安全保障のターゲットとを結び付けられれば非常に好都合である」とハームズ氏はいう。「エネルギー価格の高騰とエネルギー資源が世界の特定地域でしか利用できないという状況から、人々はこの問題が自分たちの生活に影響を与えうることを理解し、あらゆる分野でエネルギー消費を減らしエネルギー効率化を図ることはより良いエネルギー政策のための戦略の核でありつつ、気候にも配慮しているとすでにわかっている」と語った。


ハームズ氏はまた、「政策をもっと意欲的にすべきだということに人々は疑念を抱くかもしれないが、エネルギー消費を削減するためにはより厳しい政策を受け入れるべきであり、必ず受け入れることになるだろうし、そうすることが、特に金融危機という観点からみて、大いに役立つ」との見解を示した。(
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翻訳=IPS Japan浅霧勝浩


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