www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

ジンバブエで10代の妊娠が増加

Zimbabwe has seen a significant increase in the number of teen mothers in recent years. Credit: Jeffrey Moyo/IPS【ブラワヨIPS=タンデカ・モヨ】

プリティ・ニャティ(仮名:17歳)は、無理やりベッドから体を起こすと、子どもに授乳してから背中に紐でくくり、ブラワヨ市内の街頭で売るための野菜を調達しに急いで市場へと向かう。彼女は毎朝目覚めるたびに「人生こんなはずではなかったのに…」というやり場のない喪失感に苛まれている。

「10代で母親やっているなんて何も面白いことなんてないわ。」「時計の針を戻して、再び学校に通って他の女の子たちみたいにできたら、どんなにいいことか。」とニャティはIPSの取材に対して語った。

ニャティの母親は5年前に他界し、ブラワヨジンバブエ第二の都市)の北東116キロのトショロットで酒場(shebeen)を営む祖母と暮らすようになった。

14才の時、ニャティは酒場の客にレイプされた。「おばあさんに助けを求めたけど、追い出すぞって脅されて、どうしようもなかった…。」

まもなく祖母は、ニャティに売春婦として客を取らせるようになった。「たくさんの男と寝たけど、避妊はしなかったわ。」とニャティは語った。

2012年、彼女は祖母のもとを逃げ出し、ブラワヨで路上生活を始めた。街中で客を引いていたが2か月後に妊娠が発覚、しかも病院からはHIV陽性だと告げられた。その後ニャティは、ある牧師に助けられて保護施設で暮らせるようになり、ムピロ病院で抗レトロウィルス薬による治療も受けられることになった。幸い、子どもはHIV陰性だった。

「神のご加護で、この子はHIV陰性だったわ。」とニャティは語った。

ニャティは今では親戚宅に身を寄せて、抗レトロウィルス薬による治療を受けながら、「少なくともこの子が学校に行くまで見届けたい。」として、エイズの進行を抑える効果があるとされるバランスダイエットに挑戦している。

「ジンバブエ人口保健調査(ZDHS)」によると、15~19歳の女子の出産率は2006年には1000人中99人だったが、2011年には112人に上がっている。

「これは大幅な上昇です。」と国連人口基金(UNFPA)ハラレ事務所のスチュワート・ムチャペラ氏はIPSの取材に対して語った。

ニャティのように農村部に暮らす少女は都会で暮らす少女よりも10代で妊娠する確率が2倍も高くなっている(都市部の1000人中70人に対して農村部では144人)

 

危険な妊娠

「思春期は身体に急速な変化が生ずる時期にあたるため、若者がこの発達段階を安全に乗り切るためには大人たちによる適切な指導が必要です。」とムチャペラ氏は語った。

ムチャペラ氏は、十代の妊娠率を引き上げている要因として、思春期に関する適切で正確な情報が不足している現状を挙げ、「そのために、若者が不十分な知識しかない同世代の友人が提供する情報や無軌道なインターネット検索情報に頼らざるを得ないでいる。」と指摘した。

また、『児童婚』のような文化的・宗教的規範によるものや、異世代間の性交渉(intergenerational sex)、金品と引き替えに要求される性交渉(transactional sex)のような社会問題による要因を挙げた。

先述の「ジンバブエ人口保健調査」によると、15~19歳の性的に活発な女性のうち9割が何らかの婚姻状態にあり、そのなかで15歳になる前に性的関係を持った女性の3分の2が、意思に反した性交渉を経験していた。

さらに、近年の政治経済危機で貧困層が拡大した一方で、保健・教育サービスが途絶した。こうした中、少女らは食料、衣服、通学、安全を確保する手段として、危険な性交渉をするようになった。

ブラワヨで助産師をしているシマンガ・ンコモは、IPSの取材に対して、「年を追うごとに主産する少女の低年齢化が進んでいて心配です。中には14歳やもっと若い子もいましたよ。彼女たちの大半は妊産婦の健康について十分な知識を持ち合わせておらず、妊産婦死亡に繋がるリスクが高いのです。」と語った。

15~19歳の妊婦の死亡率が20代女性の2倍なのに対して、妊婦がさらに若い10~14歳の場合は5倍に跳ね上がる。

シフォ・ニクベもブラワヨ在住の十代の母親である。ニクベは高校での成績は優秀だったが、男の子の妊娠・出産を契機に勉強を止めてしまった。子どもは今では生後7カ月である。

「一時的なつきあいで始めたものが、いろいろなことが重なって気が付けば妊娠していました。避妊具の知識はありましたが、なぜか使いませんでした。」とニクベは語った。ニクベの場合、母子ともにHIVには感染していなかった。しかしジンバブエの労働人口(15~49歳)のHIV罹患率が15%近いことを考えると、結果が異なっていたとしても不思議ではない。

国連児童基金によると、2012年現在、ジンバブエの15~19歳の青年のうちHIV陽性が12万人おり、そのうち6万3000人が女性である。

ニクベは、ブラワヨ郊外の人口密集地ムポポマ地区に2部屋の家を借りて2人の兄弟(13歳と7歳)の面倒を見ている。彼女の両親は南アフリカ共和国に出稼ぎに行っており、年に3回帰ってくるが、普段は僅かな仕送りがあるだけである。子どもの父親はジンバブエ西部のヴィクトリア・フォールスで働いており、余裕のある時は仕送りをしてくれている。

「今は全てを後悔しているわ。でも自分がしでかした馬鹿げた選択と共に生きていくしかないのよ。今は高校に復学してこの子を育てることができたらいいなと思っています。」とニクベはIPSの取材に対して語った。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

関連記事:

母乳がベストだが、スワジランドでは……

モルヒネは痛みを殺すが、その値段は患者を殺す

│バングラデシュ│子ども時代を奪う「幼年婚」と闘う少女たち