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若い世代が空腹のまま前進することはできない。

World Food Day: Building a movement to end hunger - Global ceremony at Milan Expo calls for social protection, fairer food systems. Credit: FAO【国連IPS=タリフ・ディーン】

潘基文事務総長は、国連のポスト2015開発アジェンダにおいて、世界の青年には特別な役割があると主張している。しかし同時に、この若い世代が空腹のまま新アジェンダに掲げられた目標に向かって前進できないことも理解している。

潘事務総長は10月12日に開幕した世界食料安全保障委員会(CFS)第41回セッションに宛てたメッセージの中で、「私たちは、ゼロ・ハンガー・ジェネレーション(飢餓人口ゼロを体現する世代)になるという目標に向かって努力を傾注していくなかで、青年たちが活発に参画できるよう彼らをエンパワーしていかなければなりません。」と語った。

UN Secretariate Building/ UN photo今年9月には世界160か国以上の首脳が出席した「持続可能な開発に関するサミット」において、繁栄の促進や環境保全など17の目標からなる持続可能な開発のための「2030アジェンダ」が全会一致で採択された。

持続可能な開発目標(SDGs)の主要目標の一つが、2030年までに飢餓と貧困をなくすというものである。

潘事務総長は、鳴り物入りで始まったこの新たな国連の開発アジェンダが成功するには、「世界の食の安全保障が重要」と指摘したうえで、「飢餓と栄養不良の解消に向けた急速な進歩がない限り、2030年アジェンダに掲げられた目標を達成できません。」と警鐘を鳴らした。

持続可能な農業を目指す米国のNGO団体「フードタンク(Food Tank)」のダニエレ・ニーレンバーグ代表はIPSの取材に対して、「小規模家族農家のエンパワーメントを含む食料と栄養の安全保障を改善する強いコミットメントがなければ、どのSDGsも達成することは不可能でしょう。」と語った。

Credit: Courtesy of Danielle Nierenbergニーレンバーグ代表は、「多くの点で、SDGsは潘事務総長が主導してきた「ゼロハンガーチャレンジ(=飢餓ゼロへの挑戦)」の延長線上にあります。しかし、政策責任者らが飢餓と貧困をなくすための実質的なコミットメントと投資をする必要があります。それがなければ、国際社会は2020年までに飢餓をなくせません。」と指摘した。

「私は、経済界、資金提供者、資金供与者、政策責任者らが、こうした地球規模の難題に対する取り組みはもはや『待ったなし』であり、農業も環境と経済の両側面から持続可能なものにして、世界の人々と地球を養う方法を早急に見出す重要性を理解していることを望んでいます。」とニーレンバーグ氏は語った。

フードタンクは、既存の食糧管理システムは破たんしている、と結論付けている。「世界には依然栄養不足で苦しんでいる人々が約8億人いる一方で、世界で生産される食料の3分の1が廃棄されています。この問題を解決する方法は一つしかありません。つまり現実を受け止め、自分にできることから行動に移していくことです。」とニーレンバーグ代表は語った。

State of Food and Agriculture 2015/ FAO国連食糧農業機関(FAO)は、10月13日に発表された「世界食糧農業白書2015」の中で、「学校給食、公共事業、送金、年金等の社会保障プログラムは、世界で飢餓と貧困と戦ううえで、大きな役割を果たしている。」「社会保障プログラムはまた、幼児の栄養摂取状況を改善し、児童労働を減らし、学力を向上させ、地域社会全体の経済活動を活発化する一助になる。」と指摘した。

一方同白書は、世界の貧困層のうち、なんらかの社会保障プログラムの恩恵を受けている人々は全体の3分の1にすぎない現状を嘆いている。

報告書はまた、貧しい国々に社会保障プログラムを実施する余裕があるか否か、また、そうした社会保障プログラムを如何にして、包摂的な経済成長を促進し、人々の生活環境を改善して飢餓の撲滅に貢献できるようデザインできるか、問いかけている。

ミレニアム開発目標(MDGs)における貧困削減目標は多くの国々で達成されたが、依然として多くの国々が大きく立ち遅れた状況に置かれていることから、ポスト2015開発アジェンダは、貧困と飢餓を完全になくすことを目的としている。

「多くの開発途上国の間で、貧しい生活を送っている人々の差し迫った欠乏状況を緩和し、経済危機に見舞われた際に、その他の人々が貧困状態に陥るのを防止するためには、社会保障プログラムが必要という認識が広がってきている。」と「世界食糧農業白書2015」は指摘している。

Milan Expo logo10月16日、「世界食糧デー」を記念してミラノ国際博覧会に参加した潘事務総長は、「70年も前に、世界の国々は『人類の飢餓からの解放を確実なものとする』という公約のもとにFAOを創設しました。そして今日、私たちは、この約束を果たすために、私が2012年に発足させた『飢餓ゼロへの挑戦』の実現に向けて、引き続き努力を傾けています。」と語った。

潘事務総長は、「飢餓とは食料が不足している以上のことなのです。これはひどい不公平そのものです。」と指摘してうえで、「2030年アジェンダは、私たちにとって成功へのロードマップにほかなりません。」と語った。

「私たちが今日ここにいるのは、世界の全ての人々の食料安全保障を達成することを誓約するとともに、飢餓撲滅に向けた世界的なムーブメントを作るためです。この取り組みは、より大きな開発枠組みである保健衛生、経済開発、ソーシャルインクグージョン(=社会的包摂)との密接な連携のもとに進められていきます。」と潘事務総長は力説した。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

この記事はIPS北米局が、国際協力協議会(GCC)Devnet Tokyoと共同で実施しているメディアプロジェクトの一部。

 

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