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日本・カザフスタン、核実験禁止条約発効へ外交努力

Panel discussion on Roles, Responsibilities and Challenges Maintaining the IMS Verification System | Credit: CTBTO【ウィーン/東京IDN=ラメシュ・ジャウラ】

包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会が6月の閣僚会議招集を準備する中、カザフスタンと日本が、条約の発効に向けた取り組みを強化するとの公約を再確認している。

1月25日から2月4日にかけて開かれたシンポジウム「平和と安全に向けた科学・外交」の第1週、ウィーンの両国代表は、昨年9月にニューヨークの国連本部でそれぞれの外相が開始した取り組みを推し進めると述べた。

CTBTO

日本の岸田文雄外相とカザフスタンのエルラン・イドリソフ外相は、昨年9月29日、第9回「CTBT発効促進外相会合」の共同議長を務めた。

カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領と日本の安倍晋三首相は、10月27日にアスタナで発表された共同声明で、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効が必要な理由について繰り返し述べている。

「 核兵器の脅威を経験し、これを十分に認識する国として、日本とカザフスタンは核兵器がもたらす人道的惨劇について、世界中の人々の認識を向上させる道義的権限と責任を共有する。この特別な使命を念頭に置き、日本とカザフスタンは、核兵器のない世界を追求すべく緊密に協働する決意である。」と共同声明は述べている。

「核兵器なき世界」にコミットする両国の首脳が必要な政治的措置をとるなか、著名な仏教哲学者・平和活動家である池田大作氏は、20年も停滞しているCTBTの発効への熱烈な支持を表明している。

Dr. Daisaku Ikeda/ Seikyo Shimbun創価学会インタナショナル(SGI)会長である池田氏は今年の平和提言「万人の尊厳 平和への大道」のなかで、「残りの8カ国が一日も早く批准を果たし、CTBTを名実ともに力強く機能させ、核実験が二度と行われることのない世界への道を開くよう、あらためて呼び掛けたい。」と訴えている。

8か国の中には、条約に署名はしている中国・エジプト・イラン・イスラエル・米国と、署名すら拒否している北朝鮮・インド・パキスタンが含まれている。

国連加盟国のうち計183か国が署名を済ませ、そのうち164か国が批准もしている。しかし、発効要件国である44か国(=条約の「附属書Ⅱ」に掲げられている条約交渉当時に核施設を保有していた国々)が批准手続きを済ませた場合にのみ、条約は発効することになっている。

「核問題解決への取り組みを加速させ、軍縮の促進はもとより、CTBTの採択を土台に生まれたこの活動のような『世界の人道化』に向けた潮流を、本格的に強めていくべきではないでしょうか。」と東京に本拠を置くSGIの会長は1月26日に発表した平和提言のなかで述べている。

池田会長はまた、「非人道性の観点からも、軍事的な有用性の面からも、核兵器が『使うことのできない兵器』としての様相を一層強めていく中で、軍事的競争の限界から生じた『人道的競争への萌芽』ともいうべきものが、一つの形を結ぶまでになってきています。」と述べている。

このひとつの例は、1996年にCTBTが採択された際に創設された国際監視制度IMS)によるさまざまな貢献の中に見て取ることができる。CTBTは未発効だが、世界中で核爆発を探知するためにCTBTO準備委員会によって設置されたIMSはすでに運用が開始されている、と池田会長は指摘している。

IMSは、いかなる核爆発も探知されることなく行われることがないようにするための独自で包括的な検証体制の重要な柱である。IMSは、完成すれば、地球上における核爆発の兆候を監視する337施設(5種類の観測所321ヶ所及び放射性核種に係わる公認実験施設16ヶ所)で構成されることになる。現在、施設の約9割が既に稼働を始めている。

International Monitoring System/ CTBTOSGI会長はIMSを称賛して、「先日(1月6日の)の北朝鮮の核実験をめぐる地震波の検知や放射性物質の観測のような本来の役割に加えて、最近では、世界中に張りめぐらされた監視網を活用して、災害の状況や気候変動の影響を幅広くモニターする活動なども行われるようになっています。」「例えば、海底地震の探知によって津波警報を早期に発令できるように支援したり、火山噴火の状況を監視して航空機のパイロットへの警戒情報につなげたり、大規模な暴風雨や氷山の崩壊を追跡するなど、“地球の聴診器”としての重要な役割を担ってきました。」と述べている。

池田会長はまた、「CTBTはまだ発効していないうちから命を救っている」とする潘基文国連事務総長の意見に賛同するとともに、「核軍拡と核拡散に歯止めをかけるための制度が、多くの生命を守るという人道的な面でも欠くことのできない存在となっている。」と述べている。

CTBTOの専門家たちがウィーンでIDNに説明したように、世界各地の監視施設が、CTBTOのウィーン本部にある国際データセンターIDC)に大量のデータを送信している。処理されたデータは、原データ、或いは分析した形で、CTBTOの各加盟国に送られている。

Dr. Lassina Zervo/ CTBTOラッシーナ・ゼルボ氏は、2013年8月にCTBTOの事務局長に就任する以前は、IDCのセンター長であった。ゼルボ氏は、世界的な核実験禁止検証機関としてのCTBTOの地位を確立し、条約の発効と普遍化に向けた取り組みを前進させることに尽力してきた。

池田会長はまた、核兵器禁止に向けた具体的な法的措置の問題を話し合うべく国連総会が設置した公開作業部会(OEWG)にも平和提言の中で期待を寄せている。OEWGは、核兵器なき世界実現のための法的措置と規範に関して作業をするための実質的な会期を開くことにしている。また、中間的な核リスク削減措置についても勧告を行う予定だ。

1月28日に開かれたOEWGの非公式会議には85か国と一部の市民団体が参加し、タイのタニ・トングファクディ大使が議長に選出されるともに、暫定議題が配布された。

The Allée des Nations, with the flags of the member countries/ By Henry Mühlpfordt - Own work, CC BY-SA 3.0, OEWGは、(a)「核兵器のない世界の達成と維持」のために必要となる具体的かつ効果的な措置、法的条項、規範と、(b)多国間の核軍縮交渉を前進させるために有益なその他の措置に関する勧告をなすことを予定している。なお(b)については、例えば次の措置を含むが、それに限定されるものではない。

既存の核兵器に伴うリスクに関連した透明化措置/偶発的、計算違い、未承認、あるいは意図的な核兵器爆発のリスクの削減・排除のための措置/核爆発から生じる幅広い人道的な帰結の間の関係とその複雑さに対する認識と理解を高める追加的な措置。

UNFOLD ZEROによると、OEWGに対する支持が世界各国の議会や市民社会の間で強まっている。UNFOLD ZEROは、「核兵器なき世界」の達成に向けて国連に焦点をあてたイニチアチブや行動のための新たなプラットフォームである

6900以上の都市が加盟している平和首長会議はOEWGに対して公開書簡を送り、すべての国連加盟国(とりわけ核兵器保有国とその核の傘の下にある国々)に対して、核兵器なき世界への道を切り開くために、OEWGで建設的な論議に関与するよう求めた。

「核軍縮を求める人々」と「人類サバイバルプロジェクト」はOEWGの参加国に覚書を送り、即時に核のリスクを減らし、核兵器を禁止・廃絶するステップを同時に採る人道面、安全保障面からの強い要請があることに焦点を当てた。覚書は、包括的な核兵器禁止条約や、禁止先行条約、いわゆる「ビルディング・ブロックアプローチ(=ブロック積み上げ。包括的核実験禁止条約(CTBT)発効など、核軍縮のさまざまな具体的措置を同時並行的に実施するアプローチ)を含め、核兵器を禁止するさまざまなオプションを検討している。

覚書によると、単一のアプローチで問題を解決することは考えられず、あるアプローチによって作られた推進力が別のアプローチによる進展を加速することになる可能性があるという。

Witness in Hiroshima Film/ Katsuhiro Asagiri of INPS池田会長はまた、希望の持てる最近の展開についても述べている。たとえば、「核兵器を忌むべきものとし、禁止し、廃絶する」ことを約束した「人道の誓約」を120か国以上が支持したことや、市民社会から核兵器廃絶への呼び掛けが強くなっていることを挙げている。また、8月に広島で開かれた「核兵器廃絶のための世界青年サミット」など、SGIが支援してきた信仰を基盤とした団体(FBO)」や若者による取り組みにも焦点を当てている。(原文へ

翻訳=INPS Japan

*この記事はラメシュ・ジャウラINPS事務総長が、1月25日から2月4日にかけて開かれたシンポジウム「平和と安全に向けた科学・外交」‘を取材したCTBTO: Acronym of the Year’シリーズの3本目。この記事を含む他のINPS関連記事はCTBTOオフィシャルウェブサイトでも閲覧できます。 

 

 

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