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持続可能な開発促進の鍵を握る教育

Soka Gakkai【国連IDN=シャンタ・ラオ】

国連の2015年以降の開発への取り組みについて、ピーター・トムソン国連総会議長(フィジー)は、耳の痛い真実に焦点を当てた。それは、国連の17の分野からなる持続可能な開発目標(SDGs)について世界のほとんどの人は知らない、ということだ。

トムソン議長は記者団に対して、「したがって、SDGsが全ての学校カリキュラムの中に盛り込まれねばなりません。国連はSDGsの推進を力強く後押していきます。若者らは開発アジェンダの中でSDGsの重要性について教えられねばなりません。」と語った。

Peter Thomson at HLPF 2017/ Sustainable Development Knowledge Platformトムソン議長は、「もし世界中の学校のカリキュラムにSDGsが盛り込まれることになり、すべての教師がSDGsについて教え、地球上のすべての若者が自らの権利・義務としてSDGsについて知らされたならば、世界が2030年までにこれらの目標を達成する可能性が極めて高くなります。」と訴えた。

トムソン議長は、2016年11月に193カ国の首脳に宛て、子供たちや若者にSDGsについて教えることの重要性を強調した書簡を送った。トムソン議長はその中で、「若者は、持続可能な開発目標の成功の継承者にも、失敗の継承者にもなりうるのです。」と述べている。

東京を本拠にした在家仏教組織である創価学会インタナショナル(SGI)は、この国連総会議長の宣言よりかなり前から、SDGsの第4目標(すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)に着目するなかで学生の役割を極めて重視ししてきた、おそらく世界でも数少ない組織のひとつだろう。

持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)の期間中である7月12日に、スリランカ国連政府代表部でSGIが主催した円卓会議のテーマは、「ノンフォーマル教育の効果は測定可能か?学校環境において展示を用いた、あるケーススタディ」であった。

この円卓会議は、地球憲章インタナショナル(ECI)と環境教育センター(CEE)が共催した。

Dr. Daisaku Ikeda/ Seikyo ShimbunSGIの池田大作会長は、円卓会議に出席した関係諸団体の代表や参加者へのメッセージのなかで、「SDGsが掲げる『誰も置きざりにしない』とのビジョンは、遠大な目標ではありますが、『同じ人間として同じ地球で共に生きる』との思いを一人ひとりが深め、身近な場所から行動を起こす中で、時代変革の波を力強く広げることができるのではないでしょうか。その大きな原動力となるのが、世界市民教育や、持続可能な開発のための教育に代表される『教育』です。」と述べた。

池田会長は、長年にわたって、持続可能な開発における「教育」の役割の重要性について訴えてきた。

池田会長はまた、リオサミットから10年が経過した2002年にヨハネスブルクで行われた「環境開発サミット」の際には、(1)地球環境問題の現状を知り、学ぶこと(Learn)、(2)持続可能な未来を目指し、生き方を見直すこと(Reflect)、(3)問題解決のために、ともに立ち上がり、具体的な行動に踏み出すためのエンパワーメント(Empower)、の3つのステップに基づく教育の推進を提言した。

Seed of Hope Panel 01 / SGIこの提言をもとに、SGIと地球憲章インタナショナルは共同で、「希望の種子:持続可能のビジョン、変革へのステップ」と題する教育展示を制作した。

現在までに、「希望の種子展」は世界36カ国・地域で開催され、多くの若い世代をはじめ、市民社会の幅広い人々が訪れるノンフォーマル教育の場ともなってきた。

インドで実施したプロジェクトでは、「希望の種子展」を用いて、ノンフォーマル教育の効果を測定することを意図している。インド国内の3つの異なる都市から合計18の学校がプロジェクトに参加した。

1つ目のグループに対しては展示の観覧だけをさせ、別のグループには展示観覧と関連活動も行わせた。

プロジェクトの前後に、学生が何を学んだかを評価する調査が行われた。

調査結果は、アーメダバード(インド)を拠点にする環境教育センター(CEE)の事業責任者であるプラモド・クマール・シャルマ博士から参加者に提示された。シャルマ博士はミシガン大学の客員研究員も務めている

共同プロジェクトにおける自身の役割についてシャルマ博士は、「CEEは研究を担当しました。私は、センターの同僚とともに、調査設計の準備、データ収集手段の準備、報告書の分析に関わりました。」とIDNの取材に対して語った。

「ノンフォーマル教育」の定義についてシャルマ博士は、「この文脈において『ノンフォーマル』とは、持続可能性の問題について子どもたちを教育し、変革の動機づけを与えるために使用させるアプローチや教材のことを指します。」と語った。

国連総会議長が行った提案についてシャルマ博士は、SDGsを学校のカリキュラムで取り上げ、SDGsについて、なぜ、何が、どのようにして、持続可能性につながるかを子どもたちに教えるために役立つかもしれない。」と語った。

シャルマ博士はまた、「もっとも重要なことは、それを日常生活と結びつけることであり、それらがどうつながっているかということです。現在、そして将来の市民として、自らのSDGsへの関与を目に見える形にし、国連における国家間の取り決め以上のものにしなくてはなりません。」と語った。

Soka Gakkai国連によれば、7.5億人以上(うち、1.15億人は若者)が読み書きができないという。その3分の2は女性だ。小学校の年齢の約2.5億人が基本的な読み書きの能力がなく、1.24億人の子ども・青年がまったく教育を受ける機会がない。

「持続可能な開発へのこれらの障害は、コミットメントと資源の裏付けを得た適切な政策の策定と履行によって乗り越えることができるし、またそうしなくてはならない。」

SDGs Goal No. 4「学校に行けない子どもたちが質の高い学習機会を手にできるようにし、学校教育の質を高め、成人教育・学習を促進する必要がある。」と国連は指摘している。

SDGsを教えることによって、SDGsの第4.7項目の履行に向けて前進することができる。4.7項目は「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、 男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様 性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」と述べている。

http://www.mapting.org/他方で、2016年11月、SGIと地球憲章インタナショナルは共同で「マプティング(Mapting:マップとアクティングを合わせた造語)」と呼ばれる新たなノンフォーマル教育のツールを開発し、発表した。これはSDGsに対する関心と関与を促進する目的で作られたモバイル・アプリである。

マプティングは、SDGsに関連する写真や動画を撮影し、世界地図上で共有できるようにした、参加型のスマホアプリである。

池田会長が指摘したように、マプティングのユーザーは、操作を通じて、SDGsが身近なものであると実感できるようになる。マプティングの経験は、自らが暮らす「地域」から「世界」を見たり、また「世界」から「地域」を見る体験を与えてくれる。

「こうした身近で具体的な体験を通じて、SDGsに対する意識を高め行動していくことの意味は大変に大きいものであると思います。SGIは、それぞれの地域社会における草の根のネットワークを生かし、ノンフォーマル教育の取り組みを積み上げながら、志を同じくする皆さま方とともに、持続可能な地域社会の建設を目指していく所存です。」と池田会長は述べた。(原文へ

翻訳=INPS Japan

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