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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|イラク|ISIL構成員らがモスルでの「国際犯罪」で糾弾される

 A damaged neighborhood in West Mosul. Photo: Raber Aziz / UN Migration Agency (IOM) 2017【ジュネーブIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

国連の報告書は、いわゆるイスラム過激派組織『イラク・レバントのイスラム国(ISIL)』がイラク第二の都市モスルにおいて、「国際犯罪」に相当する深刻かつ組織的な犯罪を行ったと非難している。

国連イラク支援ミッション(UNAMI)と国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)が11月2日に発表した報告書は、目撃者の証言に基づいて、民間人の集団拉致、多数の人の『人間の盾』化、民間人の住居に対する意図的な砲撃、モスルから逃げようとする民間人を標的とした無差別攻撃を記録している。

High Commissioner for Human Rights Zeid Ra'ad Al Hussein. UN Photo/Jean-Marc Ferréイラク治安部隊(ISF)と有志連合軍は2017年7月に、2014年6月以来ISILの支配下にあったモスルを奪還した。

モスル奪還作戦の期間中、数千人の民間人が衝撃的な人権侵害と明らかな国際人道法違反に晒されました。」「いかなる武力紛争においても、処刑方式による民間人の殺害、家族に苦痛を与えること、財産の無差別な破壊は決して許されません。凶悪な犯罪に関与した者には責任を取らせなくてはならない。」と、ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官は語った。

報告書は、「ISIL構成員らは、2016年11月初旬にモスル市内のISIL占領下の地区から、イラク治安部隊に奪還された市内地区の住民は政府軍に『抵抗しなかった』ことを理由に(ISILによる)『正当な攻撃目標』と見なされる、と拡声器で発表した。」と詳述している。

「このいわゆる『ファトワ』は、モスル東部に住む民間人を直接標的にしたISILによる軍事作戦を伴うものだった。そしてその戦術は、砲撃、簡易爆発装置の使用、逃げ惑う民間に対する発砲を含んでいた。」と、報告書は述べている。

ヤン・クビシュ国連事務総長特別代表(イラク担当)は、「報告書は民間人に対してISILが行った大量殺戮や、モスルをISILの首都と主張しながらこの都市を意図的かつ徹底的に破壊した証拠が記録されています。」と語った。

「ISILによる恐怖の支配はあらゆる人々に及び、丸腰の住民に計り知れない苦痛を負わせた。彼らの『罪』は、ISILの支配地域に偶然住んでいたということだけのことである。ISILの邪悪な所業は住民に対する殺人や威嚇にとどまらず、モスルを象徴するアル・ハドバ・ミナレット(1172-73創建)の破壊など、このテロ組織が代表していると主張するイスラム教や歴史を一切顧みることなく、歴史的・宗教的建造物を恣意的に破壊した。」

報告書は、国連安全保障理事会や人権委員会を含む国際社会に対して、大量虐殺をはじめ人道に対する罪や戦争犯罪を行った者たちが断罪されるよう、行動をおこすよう訴えた。

報告書によると、モスル奪還作戦では少なくとも2521人の民間人が殺害され、その大半がISILによるものだった。その中にはISILによって処刑された741人が含まれている。その他、1673人が負傷している。また、市民防衛軍は、2017年10月26日現在でモスルの瓦礫から1642人の遺体を回収したと報告している。

軍事作戦に伴い、数多くの市民が避難を余儀なくされた。7月11日現在、137,339家族(824,034人)が住居を追われることとなった。

また報告書は、イラクでは2014年以来、元ISIL占領地域で少なくとも74の集団墓地が発見されたと記している。こうした集団墓地の規模は、数人から数千人が疑われるものまで様々である。

報告書はイラク政府に対して、加害者の特定に資する犯罪の証拠を保管できるよう、こうした集団墓地を厳重に管理する措置をとるよう要請した。

Families flee their homes in Mosul, Iraq, heading for an army outpost in the Samah neighbourhood where they will be taken away from the heavy fighting engulfing the city. Photo: UNHCR/Ivor Prickett報告書はまた、イラク当局に対して、軍事作戦期間中におけるイラク治安部隊や有志連合軍関係者による違反行為や人権侵害疑惑についても捜査するよう強く要請した。イラク治安部隊が主導し、2月19日に開始されたモスル奪還作戦が最も激しかった時期に、有志連合軍による空爆で461人の民間人が犠牲になった、と報告書は記録している。こうした民間人が犠牲になったほぼすべての事例について、国連イラク支援ミッション(UNAMI)と国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、空爆によるものと断定できてはいないが、報告書は、国際社会の関与により発生した民間人の犠牲に関しては、徹底的に事実関係を捜査し、結果を公表するよう強く求めている。

報告書はまた、イラク政府とクルディスタン地域政府に対して武力紛争に関連して行われてた犯罪行為は、イラク司法制度のもとで裁くよう求めている。また、イラク政府に対して、国内の司法制度の下で国際犯罪を裁けるよう法律を改正するとともに、イラクが直面している特定の状況に関しては、緊急の措置として、国際司法裁判所の裁判権を認めるよう強く要請した。

報告書は、「モスルでの『国際犯罪』に関与した者をイラク当局が起訴すれば、被害を受けた国民に、犯人はいつどこにいようとも、最終的には正義の審判が下されるというメッセージを送ることになるはずだ。」と述べている。

さらに報告書は、「被害者のために正義を確保することこそが、イラクにおけるコミュニテイー間の信頼を再構築していくうえで欠かせないものであり、同国に恒久的和解をもたらす鍵となる。」と指摘している。(原文へ

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