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アフリカ各国政府、活動家と協力してセクストーションと闘う

Photo: Women taking part in a demonstration to oppose sextortion in Dar es salaam in 2018. Credit: Edwin Mjwahuzi【ダルエスサラームIDN=キジト・マコエ】

「エイズではなくA評価を取って卒業しよう」というポスターがダルエスサラーム大学に貼られている。高い成績を得るために自らの性を提供する女子学生たちの暗い現状を物語るものだ。

「先生からデートに誘われました。でも性的関係を持つことを拒むと、報復として成績を下げられました。」と法科学生のヘレナさん(仮名:23歳)は語った。

ヘレナさんはその後勉強に身が入らなくなり、学生としての将来にますます不安を感じるようになっている。

名門校として知られるダルエスサラーム大学は、2018年末に女子学生に対するセクハラ疑惑が報じられて以来、注目を集めている。

Baobab, Adansonia digitata in Bagamoyo Tanzania / Muhammad Mahdi Karim - Own work, GFDL 1.2ヘレナさんは性暴力の被害に遭った多くの学生に一人にすぎない。彼女は、グループディスカッションに参加するためにバオバブの巨木の下で友人らと車座になっていたが、突然沈黙を破って自身の身に起こったことを語り始めた。

「私は、大学の不正対策部門にこの問題を通報しました。支援を得られるといいんだけど。」とヘレナさんは語った。

女性の人権擁護団体によると、大学全体を覆っている「恥の文化」によって、性的虐待の被害者らが自分の被害を表立って語ることはますます難しくなっているという。

タンザニアの腐敗予防対策局(PCCB)は、女性に対するセクハラを抑止する取り組みの一環として、セクストーション(「性的な行為=SEX」と「恐喝=EXTORTION」を組み合わせた造語)に遭遇した被害者が女性担当者に被害を訴え出ることができる「ジェンダーデスク」を設置した。

このケースの場合、セクストーションとは、ある権威ある地位に就いている人物が、雇用や昇進/進級を望む学生や女性に対して、言葉上の強制を通じて性的な見返りを得る一種の腐敗形態である。

SDGs Goal No. 5タンザニア政府がジェンダーデスクを設置したのは、ちょうど公務員の間での悪行を追放する名目で倫理ガイドラインを設けてから2年が経過したタイミングだった。女性の権利活動家らは、この動きはジェンダー暴力との闘いにおいて重要な意味を持つ、と歓迎している。

セクストーションは、腐敗と性的搾取が交差するところで起る世界的な現象である。この問題は被害者に肉体的・精神的苦痛を与えるにも関わらず、当局はさまざまな局面において、問題に対処することを怠ってきた。

ディワニ・アスマニPCCB局長は、同局の取り組みは、「男性優位の体制における性的嫌がらせの撲滅を視野に入れて、セクストーションの被害者に正義をもたらすことを目指しています。」と指摘したうえで、「女性たちには、ぜひ性的搾取を伴う不正行為ついて声を上げてほしい、と訴えています。沈黙を破ることで、彼女たちは正義の正しい側に立つことができるのです。」と語った。

アスマニ局長によると、PCBBは、人々が性的虐待について通報できるように、無料のホットラインを新たに設置したという。

タンザニアではセクストーションは刑罰の対象になるが、法の執行体制は弱く加害者はしばしば罰金だけ払って釈放されてしまうため、抑止には不十分だと活動家らはいう。

タンザニアの「2007年腐敗撲滅法」第25条には、「権限を持つ立場にある者が、その権限の行使において、雇用や昇進、権利、特権、その他いかなる好意的処遇を与える条件として、性的行為、その他いかなる行為をも要求したり強要したりすることは罪に当たり、有罪とされれば、最大500万シリング(約23.6万円)の罰金か最大3年の収監、あるいはその併科を処される。」と記されている。

社会正義のための闘いがアフリカ各地で広がりを見せている。各国政府は女性の人権活動家らと協力して、増加傾向にあるジェンダーに基づく暴力を抑えようとしている。

キガリからアクラ、ナイロビからラゴスに至るまで、当局と女性の人権活動家らが、性的嫌がらせという好ましからざる傾向に対抗するための市民にやさしい仕組みを作り出すことに成功している。

UN WOMENルワンダでは、女性を虐待から守るため、政府がUNウィメンの協力を得て2005年にジェンダーデスクを立ち上げた。

アナリストによれば、腐敗撲滅法制によってセクストーションを訴追する仕組みは一部整っているが、性差別や性的嫌がらせに関する法律もセクストーションにからむ虐待を対象としているという。

ケニアのジェンダー人権専門家エリアナ・ムブグア氏は「解雇を避けたい部下に性的行為を強要する上司は、性的嫌がらせとセクストーションの2つの行為に及んでいるということになります。」と説明した。

ムブグア氏によれば、性的嫌がらせに関する法律は、多くの場合、職場の問題だけを対象にし、行政処分に限られているという。

「女性の9割が性的嫌がらせを経験しているというタンザニアで、性的虐待の被害者が自らの体験を、訓練を受けた担当者に内密に話すことのできるジェンダーデスクが設置されたことは前進です。」と活動家らは語った。

10年以上前に、タンザニア・エイズ委員会で性的嫌がらせを経験したというダルエスサラームの社会正義活動家レイラ・シェイク氏は、こうした悪行に対して声を上げようと女性たちに呼びかけている。

「女性は、ジェンダー暴力に対して声を上げねばなりません。そうすることで、司法手続き(=正義の歯車)をする道が開かれるのです。」と、シェイク氏は語った。

人間の自信を喪失させるセクストーションは、他人の目に触れないところで起き、証拠もあいまいなため、立証が困難だ。問題が広がっているという断片的な証拠はあるが、当局は、被害者に悪いイメージがついてしまうことを恐れて、統計すら取っていなかった。

NAMING, SHAMING, AND ENDING SEXTORTION/ UNODC国際女性裁判官協会が2012年に出した「セクストーションを名指し、恥をかかせ、終わらせる」(Naming, Shaming and Ending Sextortion)と題された2012年のパンフレットは、セクストーションに対処する刑事司法システムには世界的に格差があることを指摘する一方、国内法・政策を改善する措置について提案している。

ダルエスサラーム大学のクリス・ピーター・マイナ教授(法学)は、根本的な倫理的価値に違背する性的強要を断罪し、高い地位にある人々に対して、権限を持つ部下に対する性的嫌がらせをやめるよう訴えた。

「誰かを誘惑することは、厳密に言えば法律違反ではないかもしれません。しかし、権限を持つ者は権力を濫用してはなりません。」とマイナ教授は強調した。

マイナ教授は、セクストーションの被害者に対して、表に出て加害者を訴えるよう強く促すとともに、「被害者が加害者を訴えるのを恐れることこそが、セクストーションに対する効果的な闘いを進めていくうえで、最大の障害なのです。」と語った。(原文へ

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