www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

チャド軍、マリ北部の戦闘に加わる

【ニアメIPSMalian Defense soldiers learn logistics with U.S. Army Special Forces. Credit: US Army Africa/CC-BY-2.0

 

アフリカ地域で最も戦闘経験が豊かなチャド軍が、1月22日、マリ北部をイスラム武装勢力の支配から開放するために戦っているフランス及びアフリカ諸国の軍隊と合流するため、待機していたニジェールの首都ニアメから北上を開始した。

この一年間、マリ国土の3分の2を占める北部は、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQUIM)」、「西アフリカ統一聖戦運動(
MUJWA)」、「アルサン・ディーン」所属のイスラム武装勢力の実効支配下にある。これらの勢力は、支配地域に厳格なイスラム法を適用する一方で、住民に対する人権侵害を行っている。

 
ニジェール人学生のブバカル・ティジャニさん(国際関係論専攻)は、18日にチャド軍が二アメに到着する報に接して「現在のところ、チャド軍がアフリカ最強の軍隊です。彼らは、常に実践で鍛えられてきた誇り高い兵士たちなのです。僕はチャド軍に敬服しています。」と興奮気味に語った。


チャド
政府はマリ北部でイスラム武装勢力と戦っているフランス及びマリ国軍を支援するため、最終的には2000人規模の兵士を配置する予定である。また、すでにマリ支援軍を派遣している西アフリカ諸国経済共同体(ECOWASも、最終的に兵士を増派する予定である。

ロイター通信社によると、チャド軍はマリの首都
バマコを通過せず直接マリ北部の戦闘地域に入るため、1月22日にマリ国境から約100キロのテイラベリ県ウアラムに向かう道路に沿って北上した。


チャド軍の勇猛さについて前評判が高いマリでは、チャド軍の参加により今般の危機が早期に収拾するのではないかとの期待が高まっている。


チャド軍は、これまでマリ北部の気候と酷似した半乾燥地帯を舞台に数多くの国内反乱勢力を鎮圧してきた実績があり、砂漠戦を数多く経験してきている。またチャド軍は、1983年から87年にかけて戦われた反政府軍及びそれを支援したリビアとの戦争にも勝利し、
カダフィ大佐のリビア軍に大きな損害を与えた(チャド内戦トヨタ戦争)。


チャド軍の総数は3万人で、これまで度々周辺諸国の内乱鎮圧に参加してきた。つい最近も、中央アフリカ共和国政府の要請で政府支援軍を派遣し、反政府勢力「中央反乱同盟」(SELEKA)と戦った(今年1月11日に停戦合意」IPSJ)。


またチャド軍は、空軍戦力として
スホーイ戦闘爆撃機6機とMi17及びMi24攻撃ヘリコプターを実戦投入する能力を擁している。


チャド軍関係者は、18日になってAFP通信に対して、「我々の部隊は3機のチャド航空機(
トウマイ・エア・チャド)に分乗してチャドを発った。なお、戦車はC-130輸送機、ピックアップトラックはアントノフ輸送機で輸送された。」と語った。

新たな戦線? 

1月19日にニアメで開催された、マリ北部への軍事介入が地域に及ぼす影響について協議した会議において、主催した市民社会組織「オルタナティブ・ニジェール」のムーサ・チャンガリ事務局長は、フランス軍とマリ国軍に追い詰められているテログループを補足するため、ニジェール北部に第二戦線を構築する可能性について言及した。

また、ニアメに本拠を置く「実験室での研究と社会的なダイナミクスと、ローカルの開発に関する研究(LASDEL)」のオリヴィエ・デ・サルダン研究員は、会議の中で、「マリ北部とニジェール北部は隣接しており、麻薬テロリストが(マリの)次に狙うのはニジェールではないかとの懸念がニジェール国民の間で広がっています。」と語った。


ニジェール軍については、その有効性についてチャド軍のような名声は聞かれない。マリ-ニジェール国境を越えて侵入してくるAQUIMMUJWA戦闘員との戦闘を度々経験しているにもかかわらず、ニジェール政府が「アフリカ主導マリ国際支援ミッション」(AFISMA)に派遣する兵士は500名に留まっている。そうした背景からも、「(ニジェールへの)チャド軍の増強は歓迎です。」とサルダン研究員は語った。


一方、チャド軍の参加を巡っては2つの懸念事項が持ち上がっている。そのひとつは、チャド軍にかけられている民間人に対する人権侵害容疑に関わるものである。
人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、2008年にチャド軍が中央アフリカ共和国の内紛に介入した際の人権侵害に関する証言を集めている。


2つ目は、軍事介入がチャド本国に及ぼす影響についてである。アーノルド・ベルクストレッサー研究所(本部:ドイツフライブルク市)の政治学者ヘルガ・ディコウ氏は、ドイチェ・ヴェレラジオの番組において「すでに
ボコ・ハラムは、チャドの(イドリス・)デビ大統領に対して、チャド軍をマリに派兵すれば、チャド本国の安定が脅かされることになるとの脅しをかけています。」と語った。ボコハラム(別名:ナイジェリアのタリバン)は、現在ナイジェリア北部に勢力を展開しているイスラム系テロ組織で、マリのAQUMとの繋がりがある。(原文へ


翻訳=
IPS Japan

関連記事:

|リビア|部族対立が南東部砂漠地帯で流血の事態に発展
|アルジェリア|「襲撃事件はこの地域に暗い影を落とした」とUAE
|中央アフリカ共和国|被害児童に教科書を
|アザワド|最後のアフリカ国境戦争が抱えるジレンマ(ウィリアム・G・モスリー・マカレスター大学教授)