www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER
移民に関する神話に覆い隠される現実(ロベルト・サビオINPS評議員、Other News代表)(後編)

Photo: A global overview of migration and migrants. Credit: IOM【ローマIDN=ロベルト・サビオ】

しかし、移住がもたらすポジティブな影響は枚挙に暇がない。フランス国立科学研究センター(CNRS)が欧州15カ国(2015年にシリア、イラク、アフガニスタンから多数の移民が欧州に流入した際、難民申請の89%を受入れた国々)における30年に及ぶ移住者受入動向を研究した調査報告書が参考になるだろう。

それから4年が経過し、GNPは0.32%上昇した。報告書の著者の一人であるヒポリト・ダルビス教授は、移民の受入れと財政の関連について、「もちろん移民を受け入れた当初は費用がかかりますが、この公的支出は社会に対する再投資となるのです。つまり10年も経過すると元移民は一般住民よりもより多くの富を築いており、こうした貢献は一般の統計にとけ込んでいるのです。」と記している。

移民に関する神話に覆い隠される現実(ロベルト・サビオINPS評議員、Other News代表)(前編)

Photo: A global overview of migration and migrants. Credit: IOM【ローマIDN=ロベルト・サビオ】

最新の統計によると、2018年の現時点における移民の総数は50,000人で、昨年は186,768人、2016年は1,259,955人、2015年は1,327,825人であった。移民に関する一般の認識と現実の乖離は驚くべきもので、私たちは明らかに、史上最も巧みなイメージ操作を目の当たりにしている。

フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、英国、米国の23,000人を対象に実施した最新の世論調査によると、偽情報が広範に信じられていることが明らかになった。これら6カ国において、人々は移民の数が実際よりも3倍多くいると誤って認識していた。イタリア人は移民が国民に占める割合について、実際には欧州連合加盟国の平均を下回る1割程度にもかかわらず、3割を占めていると考えていた。一方で、一般の認識が現実に最も近かったのはスウェーデン人で、移民の割合が実際には2割なのに対して3割と回答していた。

立場の違いを乗り越え「移住に関するグローバル・コンパクト」が最終合意される

Photo: Miroslav Lajčák, President of the 72nd Session of the United Nations General Assembly (l), stands with ambassadors Juan José Gómez Camacho of Mexico (c) and Jürg Lauber of Switzerland (r), co-facilitators of negotiations on the global compact for safe, orderly and regular migration, at UN Headquarters in New York, 13 July 2018. Credit: UN Photo/Mark Garten【ニューヨークIDN=J・ナストラニス】

越境移動の管理強化とそれにともなう難題に取り組み、移住者の権利強化と持続可能な開発に貢献する包括的なグローバル・コンパクトに各国が合意したことについて、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「重大な成果だ」として歓迎し、ミロスラフ・ライチャーク国連総会議長は「歴史的瞬間」と表現したが、今回の合意は、こうした関係者の努力を称賛するレトリック以上の大きな成果であった。

グローバル・コンパクトは法的拘束力を持たない協力の枠組みだが、(移民・移住者をめぐる国内における対処や国際協力のあり方の枠組みとなる)文書案「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト「移住に関するグローバル・コンパクト」)」が史上初めて、加盟国政府、地方自治体職員、市民社会、移住者らが参画した1年以上に亘る議論や協議を経て合意に達した。

13000人のアフリカ人がサハラ砂漠に置き去りにされている

Photo: African Refugees【ニューヨークIDN/GIN=リサ・ビべス】

難民や亡命希望者に対する最もショッキングな虐待事例として一部メディアが報じていた件について、国際移住機関(IOM)は、数千人のアフリカ人移民らがアルジェリア政府による国外追放措置によって、炎天下のサハラ砂漠に置き去りにされ、死者が出ている事実を確認した。

このような措置は既に1年以上にわたって行われてきたが、AP通信が最近行った調査報道をきっかけに、一斉に多くのメディアが報じるようになった。アムネスティ・インターナショナルヒューマン・ライツ・ウォッチは、昨年に続いて今年もこうした難民に関する報告書を発表しているが、これまで大手メディアにはほとんど取り上げられいない。

|米国|難民申請した母親と7歳の娘が再会

Photo source: Internet【ニューヨークIDN/ Global Information Network】

残酷かつ恐ろしい出来事の末に、米国に難民申請していた母親と娘がシカゴで再会を果たすことができた。7歳になったばかりの娘は、2017年11月以来、母親から数千マイル離れた場所に収容されていたのだ。

この親子の代理人であるアメリカ自由人権協会ACLU)の弁護士によると、長らく引き離されていた親子は、再会の瞬間、思わず走り寄って抱きしめ合いながら泣き崩れたという。

ミャンマーは「ロヒンギャ問題」の解決について、スリランカから学べるかもしれない

Photo: Kutupalong Refugee Camp in Cox's Bazar, Bangladesh. The camp is one of three, which house up to 300,000 Rohingya people fleeing inter-communal violence in Burma. Credit: Wikimedia Commons【シンガポールIDN=ジャヤスリ・プリヤラル】

ミャンマーにおけるロヒンギャ危機とバングラデシュへの難民流入がメディアを賑わせている。スリランカ人の一人として、私は、かつてのスリランカと現在のミャンマーで広がった「無国籍少数民族」を巻き込んだ2つの紛争の間にある類似性を指摘することができる。スリランカがかつてインドと共に危機を解決したアプローチは、ミャンマーが倣うべき枠組みとなるかもしれない。

スリランカが大英帝国から実質的な独立を獲得した1948年当時、この島国(=当時はセイロン自治領と呼ばれた)には、「インディアン・タミル」と呼ばれていた約100万人のタミル人が残された。もともとインドの最底辺カーストである「ダリット」出身の彼らは、大英帝国統治時代に、英国がシンハラ人農民から奪った土地に作った茶プランテーションの労働者として、インド南部から強制的に連れてこられた人々である。シンハラ人はプランテーションで働くことを拒絶していたのだ。こうして、タミル人の存在はシンハラ人にとって鼻持ちならないものになっていた。英国はこうして、インド国民でもスリランカ国民でもない「無国籍社会」を創り出したのである。

|モロッコ|新移住政策が施行されるも欧州渡航の夢を諦めない移民たち

Senegalese street sellers in Fez./ Fabiola Ortiz | IDN-INPS【フェズ、ウジダ、ナドール(モロッコ)IDN=ファビオラ・オルティス】

欧州に渡りたいサブサハラ地域のアフリカ住民たちがかねてより通路としてきたモロッコが、欧州連合(EU)に向けた移民の流れを制限し、依然として渡航を望む人々の希望を打ち砕く国家戦略を実行しつつある。

人々が故国を離れて移民となり、より良い暮らしを求めて危険なルートを辿り、命を危険にさらすのには、数多くの理由がある。

|世界人道サミット|防災は実行可能

 High-Level Leaders’ Roundtable on “Managing Risks and Crises Differently”/ WHS【イスタンブールIDN=ジャック・N・クーバス】

先進工業諸国G7のほとんどを含め、世界の指導者の多数が欠席したことは、間違いなく深い失望感を引き起こすものだった。しかし、国際連合70年の歴史で初めて開かれた世界人道サミットは、国際外交の恥ずべき失敗として歴史に埋もれることはないだろうし、この種のものとしては最後の会議になることもないだろうと専門家らはみている。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相を除いてG7首脳らは揃って欠席したことが注目を浴びたが、173カ国・約9000人がイスタンブールで開催された世界人道サミットに出席した。この中には約60人の元首もいたが、そのほとんどが途上国からの参加であった。

エクアドルの世界市民:原則と実態のギャップ

Quito | Credit: Patricio Mena Vásconez, Wikimedia Commons【キトIDN=ネルシー・リザラーゾ】

普遍的市民権或いは世界市民権とは、「人道行動事典」によると、世界のあらゆる場所で、誰もが、権利を持った主体とみなされる原則、カテゴリー、あるいは条件である。

これは、少なくとも国際的な領域においては、確立され、受け入れられた概念であり、人権の普遍性と直接に結びついている。普遍的市民権の概念は、根本的に、人権というものは、ある個人がどの国家出身であるかに関わりがなく、どこにいても守られ、尊重されなくてはならないことを意味する。

移住労働者に「グローバルな見方」を学ぶシンガポールの学生

A student viewing the migrant worker exhibition at the National University of Singapore (NUS)【シンガポールIDN=カリンガ・セネビラトネ】

政府統計によると、この東南アジアの豊かな国(=シンガポール)においては、人口の3人に1人が移民である。彼らは、近代的なインフラを築き、ビルを清掃し、レストランで料理や給仕をし、勤め先の家庭で子どもや老人の世話をしているが、しばしば賃金レベルはきわめて低く、粗雑な扱いを受け、地元の人々からは不審の目で見られている。

数百人のインド人労働者が警察車両を襲った2013年の「リトルインディア」暴動に始まり、イスラム系テロ集団との関連が疑われる27人のバングラデシュ労働者の最近の逮捕に到るまで、移住労働者に関しては社会に緊張が走っている。法律を学ぶある学生が語ったように、「私たちは移住労働者に関して二次的な情報源からしか情報を得ていない。そしてそれは、彼らがどういう人たちであるかについて教えてはくれない。」のである。