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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|国連報告書|石油価格高騰、ミレニアム目標に影響か

 

【バンコクIPS=マルワン・マカン・マルカール】

 

石油価格値上がりがアジアの途上国に与える影響について新たなメカニズムを用い行われた調査で、暗澹たる結果が出た。同地域の貧困緩和努力に脅威が存在するのは明らかだ。

最近開発されたOPVI(石油価格脆弱性指数。異なる18の指標を用いる)で、2003年の1バレル約22米ドルからその後80ドルに値上がりした石油価格の高騰により、程度の差こそあれ、調査対象国にその影響が出ていることが判明した。石油価格は、先週1バレル当たり90.07ドルの最高値を記録。100ドルを超えるのではないかとの予測も出ている。

 
国連開発計画(UNDP)
は、10月25日発表の調査報告書の中で、「最も脆弱な国は、経済力、経済パフォーマンスが低く、石油依存の高い国」と述べている。UNDPは、アジア大陸の貧しい人々が燃料価格高騰にどのように対処しているかのアセスメント確認を行うためOPVIを使用した。

南アジアで最も影響を受ける国はアフガニスタン、バングラディシュ、モルジブ、ネパール、パキスタン、スリランカ。東南アジアでは、カンボジア、ラオス、フィリピン。太平洋地域では、フィジー、サモア、ソロモン諸島、バヌアツとなっている。


また、ブータン、インド、ビルマ、タイ、ベトナム、インドネシア、パプア・ニューギニア、モンゴルなどでも中度の影響があるという。「石油価格に対する脆弱性の克服」と題されたUNDP報告書は、これら諸国は、第1グループに比べ石油価格ショックを吸収できる経済力、高あるいは中度の国内総生産/経済成長率を有し、石油依存率も低い、あるいは石油輸出国であるためと述べている。


同報告書はまた、「しかし、価格の高止まりが続けば、極端な貧困と飢餓の撲滅のため掲げられた国連ミレニアム目標(MDGS達成への影響は避けられない」としている。


同報告書の主筆ナンディア・モンギア氏は、IPSに対し「MDGsへの脅威は、石価格上昇の期間による。もし、価格上昇が3~5年続けば、我々は大きな問題に直面することになる」と語った。
 

 MDGs
は、2000年にニューヨークの国連本部で行われた国連サミットで世界のリーダーが合意した8つの開発目標からなる。第1目標は、2015年までに収入が1日1米ドル以下の人々の数を半減させること。アジア太平洋地域は、貧困率が地域住民の32%から17%に減少したことで称賛された。しかし、2004年には約6億4,100万人が依然極端な貧困生活を送っていた。


もう1つ、2015年までに全世界の子ども(男女共)の初等教育終了を義務化するというMDGに大きな影響が出るのではないかと懸念される。149ページのUNDP報告書は、「交通費の値上がりで、地方の子供達の良い学校へのアクセスが妨げられるのではないか」と述べている。


MDGs
が具体化した頃は、石油価格の値上がりが目標達成の大きなハードルになるとは思いもよらなかった。モンギア氏は、「7年前には、石油価格高騰の問題がMDGsの障害になるかもしれないなどと誰も議論しなかった。我々は1バレル約25ドルという幸せな世界に住んでいたのだ」と語る。


しかし、価格高騰が地域の開発に与える影響は大きい。同報告書の発表に際し、国連のハフィズ・パシャ事務次長は、「アジア・太平洋地域は、石油コストとして2003年比で4千億ドルの追加支出を余儀なくされた。これは、同地域に対する年間援助金の20倍に相当する。これにより、地方、都市コミュニティーは、従来のよりダーティーな生活に戻らざるを得ず、燃料アクセスは更に難しくなった。また、貧困撲滅努力も一層困難となった」と語った。


UNDP
調査官が中国、インド、インドネシア、ラオスの地方/都市家庭に対し行った聞き取り調査で、新たな現実が浮かび上がった。同報告によると、これら家庭は、2002~2005年の間に大幅な価格高騰に直面し、必要エネルギー・コストは全体で74%増加したという。調理用燃料は171%、交通燃料は120%、電気は67%、照明用燃料は55%の高騰だ。


UNDP
の表現を借りれば「エネルギーの階段を下ることを余議なくされた」数百万の人々にとって選択肢は殆ど残されておらず、多くの家庭が夜は暗闇の中で過ごしている。都会の貧困層は、燃料になる木やバイオマスといった代替燃料を集めることができないためより厳しい状況に陥る傾向にあるが、地方の貧しい人々も、特に電化されていない村々では、照明用燃料の値上がりに対しより脆弱で、同じく困難な状況に置かれているという。


ネパールの様な後発途上国では、価格高騰の圧力は生活の質そのものに影響している。同国の国家計画委員会のメンバー、ラジ・パンディ氏は、「貧しい者と富める者の格差が広がった。これはMDGs達成に大きな脅威となっている」と語っている。(
原文へ


翻訳=IPS Japan浅霧勝浩



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