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|モンゴル|北東アジア非核兵器地帯は可能

Dimensions to Create a Nuclear-Weapon Free Northeast Asia/ ICAN【ジュネーブIDN=ジャムシェッド・バルーア】

北東アジアでは、既存の緊張関係が引き続き悩みの種であり、緊張を緩和し有意義な協力関係を生み出す緊急の行動が求められている。しかし、北東アジア非核地帯の構築は可能であり、優先課題とすべきである。」11月26日にモンゴルのウランバートルで開催された国際会議において、このような提言が出された。

GPPAC国際会議「核兵器なき北東アジア構築のための諸側面」(GPPAC北東アジア地域会合)の最終文書には、「モンゴルの1国非核地帯化はこの地域において同国が傑出したリーダーシップを発揮した実例であり、核兵器とそれがもたらす危険に対して行動を起こすことを望んでいる国々にとって良き前例となるものである。」と述べられている。

この国際会議は、「武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAC)東北アジアネットワーク」、モンゴルのNGO「Blue Banner(蒼い旗)」、GPPACウランバートル支部が共催し、モンゴル外務省及び経済開発省の後援のもとに開催された。

この会議には、GPPAC事務局本部があるオランダのハーグをはじめ、広州、香港、京都、平壌、ソウル、台北、東京、ウランバートル、ウラジオストックから、市民社会組織の代表や学者を含む60人以上が参加した。

会議では「モンゴルの非核地位と同国が北東アジアにおける信頼醸成、地域の安定、核不拡散を推進するうえで果たしうる役割について」協議が行われ、参加者はこれまでのGPPAC東北アジア地域プロセスにおける声明文(2005年東京アジェンダ、2006年金剛山地域行動計画、2007年・2010年ウランバートル声明)で謳われている、地域における紛争予防、平和構築、核不拡散へのコミットメントを再確認した。

参加者は、事故か故意かに関わらず核爆発の人道的影響に焦点をあてる取組みは重要かつ時宜を得たものであり、核爆発の破滅的な影響への理解を深めることによって、核軍縮の緊急性に対する国際社会の認知を高いレベルで維持するという見方で一致した。そうした観点から、2013年にノルウェーのオスロ、続いて2014年にメキシコのナヤリットで開催された「核兵器の人道的影響に関する国際会議」と両会議への市民社会組織の関与を歓迎した。

オスロ会議は核兵器爆発の影響を人道的な観点から焦点を当てたのに対して、ナヤリット会議は核爆発の人道的影響について、その長期的な影響及び公衆衛生、環境、気候変動、食料安全保障、強制移転、開発への影響にもさらに踏み込んで協議した。

Vienna conference on humanitarian impact of nuclear weapons参加者は「第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議」(12月8日・9日にウィーンで開催)が、被爆者の証言に耳を傾け、核実験がもたらした人道的影響と核兵器に付随する人的・技術的ミスというリスクを検証することで、核廃絶の緊急性について一層焦点をあてるとともに、核兵器の廃絶に向けた交渉開始に寄与することを期待していると語った。

ICANそこで参加者は市民社会組織に対して、ウィーンで開催される政府間会議と核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が12月6日と7日に主催する市民社会フォーラムの双方に積極的に参加するよう呼びかけた。

 

核兵器の廃絶

NTI参加者はまた、核兵器の使用又は使用の威嚇に対する唯一の効果的な保証は、国際的に法的拘束力のある関連条約を締結し核兵器を完全禁止・廃絶するほかに方法はないとの信念を再確認した。

この観点から、参加者は(核保有国が進めている)既存の核兵器の近代化及び新型核兵器の開発を、核軍縮の目的と義務に矛盾する行動であるとして拒絶した。

また参加者は、9月26日を「核兵器廃絶のための国際デー」とした国連総会の決定と、2013年の「核軍縮に関するハイレベル会合」の開催及び結果を歓迎するとともに、各国に対して、核兵器を廃絶するための具体的な方策と活動を特定するために遅くとも2018年までに「核軍縮に関する第二回ハイレベル会合」を開催するよう呼びかけた。

Nuclear Zero Lawsuitまた国際社会に対して、消極的安全保障に関する普遍的かつ法的拘束力のある取り決めについて交渉を開始し、遅滞なく採択するよう呼びかけた。また同会議は、マーシャル諸島政府が9つの核兵器保有国が核不拡散条約(NPT)の核軍縮義務に違反しているとして国際司法裁判所に提訴した「核ゼロ裁判(Nuclear Zero Lawsuit)」への支持を表明した。

 

2015年NPT運用検討会議

また参加者は、これまで核軍縮及び核不拡散体制の拠り所となってきたNPT運用検討会議(次回は来年4月~5月にかけて開催予定)に向けた準備について詳細に協議した。そして、核兵器保有国に対して、NPT第6条の核軍縮義務を完全に順守するとともに、2000年NPT運用会議で合意された(NPT第6条履行のための)実効的措置13項目と2010年NPT運用検討会議で採択された最終文書(行動計画)、とりわけアクション5を、実行に移すよう呼びかけた。

UN Photo会議は、非核兵器地帯が地域および国際の安全保障体制を強化するうえで重要な役割を果たしていることを再確認するとともに、既存の非核兵器地帯の強化への支持を表明した。さらに関連して、1995年、2000年、2010年のNPT運用検討会議において加盟国間の合意が成立しているにも関わらず、「中東非核兵器地帯の創設に関する国際会議」が依然として実現していないことに懸念を示すとともに、同会議が2015年NPT運用検討会議より前に開催されることに期待を表明した。

最終文書によると、参加者は、朝鮮半島とその周辺を含む北東アジア地域で緊張関係が続いていることに懸念を表明し、6者会合(韓国、北朝鮮、中国、ロシア、日本、米国)は、依然として重要な役割を果たすことが可能で、同地域の恒久平和実現に資する他の対話の枠組みが真摯に追及されると確信している。

「参加者は、関係改善に向けた信頼醸成措置や北東アジア非核兵器地帯創設の実現可能性を含むこの問題への幅広い取り組みを行うことは、実質的に有益であり、『核の傘』或いは『拡大核抑止政策』は放棄する必要があると確信している。」

Tsakhiagiin Elbegdorj/ Wikimedia Commonsまた同会議は、域内国家間の不信感を減らし、相互理解と信頼を促進する効果的な方法として、モンゴルのツァヒアギーン・エルベグドルジ大統領が提唱している「北東アジア安全保障に関するウランバートル対話」を歓迎した。

さらに同会議は、域内の相互理解と対話を促進するうえで市民社会が重要な役割を果たしており、平和で安定した北東アジアを目指す共通のビジョンを強化発展させるために、市民社会組織が引き続き協力していくことを再確認した。

GPPAC北東アジア地域会合では、今後の議題について、従来の平和と安全保障分野へのフォーカスに加えて、経済、環境、持続可能性、災害救援、ジェンダー、人間の安全保障、市民社会の潜在的な役割等についても焦点をあてる予定である。

参加者は、モンゴル政府の一国非核兵器地帯政策を、地域の安定に対する具体的な貢献として、また、核の脅威に取り組んでいくための革新的なアプローチとして歓迎した。また、核5大国が、モンゴルの非核地位を尊重しそれを侵害する行動をしないと誓約した共同声明を歓迎するとともに、モンゴルの実例が今後同様の問題に取り組む際に良い前例となることに期待を寄せた。

参加者はさらに、市民社会が重要な役割を果たせる核軍縮と紛争予防を推進する世界的な取組みへの支持を再確認した。参加者はその観点から、ICAN、平和首長会議、朝鮮戦争を終わらせるための各国・国際レベルの様々なキャンペーン、日本国憲法第9条を保護・促進するキャンペーンなど市民社会主体の様々な取り組みを支持した。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

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