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人権問題との闘いは「まるで地雷原」(AIイラン問題担当エリーゼ・アウアーバック氏インタビュー)

Elise Auerbach, Iran country specialist for Amnesty International USA Credit: Colin Trenbeath/Single Arrow Productions

【国連IPS=クリスチャン・パペッシュ】

 

10月18日、国連人権委員会が、イランの人権状況を検討するための会合を開いた。一方、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(AI)」は、イラン政府が現在及び過去に於ける人権侵害(青少年に対する死刑適用、少数派宗教、民族、同性愛者に対する差別や逮捕等)を認めない限り、これは茶番劇となりかねないと警告している。

 
IPS
では、米国AIのイラン問題担当エリーゼ・アウアーバック氏に、イランの人権状況、国際社会の反応、政治的な障害、「アラブの春」のイランへの影響等について聞いた。

Q
:イランが
国連人権委員会に提出した報告書は10年以上も遅れて出されたものであり、しかも、重要な人権侵害に触れていません。これは茶番でしょうか?

A
:茶番とまでは言いませんが、国際社会の懸念には応えていません。国連事務総長もいまやイランに関する報告書を年に2回も出しています。また、特別報告官のアフメッド・シャヒード氏も報告書を出したばかりですが、彼はイラン国内への立ち入りを禁じられています。これらの国連報告書には、イランの人権状況に関する様々な懸念が述べられています。

これに対してイラン政府は、自国の人権状況に向けられた批判は、政治的な動機に基づいて欧米諸国が仕掛けている中傷キャンペーンに過ぎないと反論しています。私が見るところ、イランが提出した報告書の内容は不十分であり、国際社会の懸念に対して真面に応えることを避ける意図で、極めて曖昧に作成されたものと言わざるを得ません。

Q
:このところ中東・北アフリカ地域で、多くの革命や蜂起が起こっていますが、こうした「アラブの春」と呼ばれる変革の波はイランに到達するでしょうか?政府の人権侵害に対する蜂起がイランでおこりうるでしょうか?

A
2009年の夏に、きわめて大きな抗議活動がイランでありました。選挙結果の不正を訴えて、数百万という人々が街頭に出てきたのです。この行動こそが、この春のアラブ諸国での抗議活動の先駆けであったという人もいます。

しかし、イラン政府はこの抗議を徹底的に弾圧しました。2009年12月と、その後も散発的に大衆抗議活動がありましたが、現在のアラブ諸国での活動ほどの規模にはなりませんでした。しかし、イランの人々は、大変なリスクを冒して、彼らが見るところの不公正な政府に対して、抗議の声を上げているのは確かです。そしてイラン政府も、さらなる大規模な抗議行動がおきないよう全力で抑えこみにかかっているのです。

Q
:2日前、禁固6年、映画製作20年間禁止の判決が下されていた映画監督ジャファル・パナヒ氏(
Jafar Panahi)の控訴が棄却されました。彼をはじめとした批判的な人々がイラク国内で活動する余地はあるのでしょうか。アムネスティ・インターナショナルとしては、パナヒ氏のような活動家を支援するためにどんなことをやってきたのでしょうか。

A
:パナヒ氏は、祖国を愛しており、イランに留まって活動したいとの意思表示を何度となく行ってきましたが、それでも告発されました。これまでに、2万1000筆の署名を集めています。中には、ショーン・ペンスティーブン・スピルバーグマーティン・スコセッシといったハリウッドの有名人もいます。これをニューヨークにあるイランの国連代表部に届けようとして最初は受け取りを拒否されたのですが、交渉の末にようやく受け取ってもらうことはできました。

芸術的な表現に対する弾圧がイランでは続いており、国内での活動は難しい状況にあります。しかし、イランの人々はきわめて勇敢であり、いかにしてイラン政府を出し抜くかを考えています。

Q
:イランの人権状況を改善するにあたって、アムネスティ・インターナショナルが直面している困難は何ですか?その他の国との違いは何でしょう。

A
:イランは、活動する上でもっとも難しい国のひとつです。人権状況の規模の大きさとシステムの不透明さという点もあります。それに、我々はイランへの入国を許されないのです。しかし、イラン国内には、我々に状況を報告してくれる多くの人権活動家がいます。

私たちは、私たちのアジェンダと米国政府のアジェンダは無関係であることを明確にしておきたい。私たちがイランの人権状況を批判するのは、人権活動家として発言しているのであって、私たちの関心は人権分野以外のなにものでもないのです。

イランに関する議論は、核兵器開発疑惑や、イスラエルへの敵対疑惑、中東地域への影響行使疑惑など他の問題と絡んですぐに政治化しやすいので、私たちはきわめて慎重にメッセージを発する必要があります。

イランにはきわめて多くの問題があって、まるで地雷原を歩いているかのようです。だからこそ、私たちは、人権分野のメッセージにこだわって、慎重に進まなければならないと思っています。(原文へ

翻訳=山口響/IPS Japan戸田千鶴

 

 

 

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