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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER
核兵器禁止条約は核時代の終わりを照らし出す(レベッカ・ジョンソンICAN共同議長・アクロニム研究所所長)

Photo: The writer addressing UN Open-ended working group on nuclear disarmament on May 2, 2016 in Geneva. Credit: Acronym Institute for Disarmament Diplomacy.【ロンドンIDN=レベッカ・ジョンソン】

私たちがこの激動の時代を生き延びることができたなら、歴史は、2017~18年を、核時代の終わりを告げ、(望むらくは)平和構築と安全保障の始まりの時代と記録することになるかもしれない。

あまりにも長い間、つまらないナショナリズムが「男らしさ(マスキュリニティー)」という攻撃的な観念に武器を授け、暴力的な行動に対して権力や征服、物質的富という見返りを与えてきた。様々な帝国が栄枯盛衰を繰り返す中で、家父長制的な支配者たちが、本来人類が分かち合うべき地球上(陸海空)の生息環境を汚染し歪めてきた。地球のすべての生命を破壊する能力を持つ核兵器は、政治的権威や地位、そして奇妙なことに安全保障のための道具とみなされてきたのである。

難航が予想される国連事務総長の軍縮アジェンダ(ジャヤンタ・ダナパラ元軍縮問題担当国連事務次長

Photo: UN Secretary-General António Guterres speaks at the University of Geneva, launching his Agenda for Disarmament, on 24 May 2018. UN Photo/Jean-Marc Ferre.私たち共通の未来を守る』と題されたアントニオ・グテーレス国連事務総長の新たな軍縮アジェンダが発表されたが、「現在の行為主体(アクター)の下で、私たち共通の未来を守れる可能性は低い」、とジャヤンタ・ダナパラ氏は記している。ダナパラ氏はスリランカの元大使で、元軍縮問題担当国連事務次長である。「私たちは、行為主体の交代を待つか、失敗した交渉の瓦礫の中から新たな出発を模索するしかありません。しかしそれも、予測不能なトランプ大統領と金正恩北朝鮮最高指導者にかかっている。」とダナパラ氏は記している。

【キャンディIDN=ジャヤンタ・ダナパラ】

大々的に予告されていたアントニオ・グテーレス国連事務総長による軍縮アジェンダは、5月24日、ジュネーブ大学の学生たちの前で披露された。

尾崎行雄と立憲主義(石田尊昭尾崎行雄記念財団事務局長)

Takaaki Ishida/ Ozaki Yukio Memorial FoundationIDN東京=石田尊昭】

日本国憲法施行から71年を迎える今年は、憲政の父・尾崎行雄の生誕160周年でもある。尾崎は1890年の第1回衆議院議員総選挙から第25回まで連続当選し、60年以上にわたり衆議院議員を務めた。1912年の憲政擁護運動では犬養毅と共に「憲政の神」と呼ばれた。

「憲政」とは立憲政治のことである。立憲政治は、「多数国民の生命・財産その他の権利・自由を保障」することを目的に、「立法部の多数を基礎とする政党内閣」が行う政治だと尾崎は言う(『政治読本』1925年)。

ICAN、2019年の核兵器禁止条約発効を期待(ティム・ライトICAN条約コーディネーターインタビュー)

Photo: Tim Wright addressing the UN conference to ban nuclear weapons on behalf of ICAN on the second last day of negotiations on 6 July 2017. Credit: ICAN | Vimeo【シドニーIDN=ニーナ・バンダリ】

2018年に核戦力による威嚇が強まるのを世界が目の当たりにするなか、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、各国政府に核兵器禁止条約(核禁条約)への署名・批准を働きかける世界的な民衆運動を支援している。ICANの条約コーディネーターを務めるティム・ライト氏は、IDNのニーナ・バンダリ記者に、軍縮、核兵器のリスクと帰結に対する認識を高めること、そして今日の世界には核禁条約がなぜかつてないほど必要なのか、について語った。

ライト氏は、核禁条約が2019年中に発効することを期待している。彼は南北対話を開始した韓国の文在寅大統領の「優れたリーダーシップ」を称賛しつつも、「しかし、真の平和は、核兵器が、北朝鮮だけではなく、全ての国々による全面拒否に基づくものでなければならない。」と指摘している。また、ドナルド・トランプ大統領によるイラン核合意破棄については、「核不拡散の努力を阻害するもの。」と述べている。

「リビアモデル」は役立たない:朝鮮半島には平和と核軍縮に向けた独自のプロセスが必要(レベッカ・ジョンソンICAN共同議長・アクロニム研究所所長)

Photo: Women Cross DMZ, in partnership with the Nobel Women’s Initiative and the Women’s Peace Walk, a coalition of more than 30 women’s peace organizations in South Korea, will travel to Seoul, South Korea May 24-26 for the #WomenPeaceKorea: A New Era delegation. Credit: Stepehen Wunrow | Women Cross DMZ【ソウルIDN=レベッカ・ジョンソン】

私は今、ソウルで「非武装地帯を超える女性たち」主催の平和行動や国際会議に参加している。

メディアでは、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官が、待ち望まれていたシンガポールにおける米朝首脳会談の開催を危ういものにしたのではないかという話題でもちきりだが、はたしてそれがボルトン補佐官の意図だったのだろうか?

「核軍縮に関する国連ハイレベル会議」延期の裏に核保有国の影

Photo: Security Council meeting on Maintenance of international peace and security, Nuclear non-proliferation and nuclear disarmament. Credit: UN Photo/Loey Felipe【ニューヨークIDN=アラン・ウェア】

2018年5月14日は、「とりわけ核兵器に関する包括的条約を含め、核兵器の完全廃絶実現に向けた効果的な核軍縮措置」を討論するための3日間にわたる「核軍縮に関する国連ハイレベル会議」の開会日となるはずであった。

国連総会は5年前、丸1日を費やすハイレベル会合を国連で毎年開催したのちに、2018年にこうした会議を開くことを決定していた。

|視点|被爆者の思いを胸に 核禁止条約の参加拡大を(池田大作創価学会インタナショナル会長)

Dr. Daisaku Ikeda. Credit: Seikyo Shimbun.IDN東京=池田大作】

国連で、7月に採択された核兵器禁止条約の署名開放の日を迎えた。加盟国の3分の2近くが交渉に参加し成立をみた条約の発効に向けて、いよいよ動き出すことに特別の感慨を覚える。

条約の採択に賛成した122カ国をはじめ、多くの国の署名を得て、早期の発効を果たすことを切に望むものである。

北朝鮮には経済制裁の圧力と外交で:専門家の見解

Photo: People in Pyongyang watch Kim Jong-un on North Korean TV, 2015. Credit: Wikimedia Commons【トロント/ワシントンDC・IDN=J・C・スレシュ】

効果的な軍備管理政策への一般の理解と支持促進に取り組んでいるワシントンのシンクタンク「軍備管理協会」(ACA)によると、「トランプ政権は、北朝鮮に対する『最大限の圧力と関与』という自らが示した政策を十分に実行できていない。」という。

ACAのダリル・キンボール会長は、9月3日に北朝鮮が行ったマグニチュード5.9~6.3の核爆発実験に関する声明の中で、「トランプ大統領は無責任な挑発と軍事力行使の威嚇を通じてリスクを大幅に悪化させました。これによって、核兵器は米軍の攻撃を抑止するために必要だという北朝鮮のプロパガンダに信憑性を与え、金正恩最高指導者が核計画を加速することになってしまった。」と語った。

核兵器禁止条約と核を「持たざる国」の重要な役割(ジャルガルサイハン・エンクサイハン元モンゴル国連大使)

Dr. Jargalsaikhan Enkhsaikhan, Chairman of 'Blue Banner'.ジャルガルサイハン・エンクサイハン博士は、核不拡散・軍縮促進のために活動するNGO「ブルーバナー(青旗)」事務局長で、モンゴルの元国連大使。この寄稿文はウランバートルで8月31日から9月1日にかけてブルーバナーによって開催される「核軍縮問題に関する国際会議:グローバル及び地域の側面」に先駆けて寄せられたものである。会議では、「核なき世界」を実現するという共通の目標に向けて共に前進していくための効果的な諸戦略が模索される予定だ。

【ウランバートルIDN=ジャルガルサイハン・エンクサイハン】

国連で真に歴史的な重要性を持つ出来事が起きた。7月7日、核兵器を法的に禁止する条約の制定を目指す交渉会議の最終会期において、核兵器禁止条約が採択されたのである。これは、冷戦終結以後に交渉された核軍縮関連のものとしては、初めて法的拘束力を持たせた文書である。

賛成122・反対1(オランダ)・棄権1(シンガポール)で採択されたこの条約は、国連総会が「原子兵器と、大量破壊に適用しうるその他すべての主要な兵器を各国の兵器庫から一掃する」提案を行った第1号決議を1946年に採択して以来の、核兵器廃絶を目指す多国間の取り組みにおいて大きな一里塚となった。

|視点|核兵器禁止条約のあとに来るもの(スージー・スナイダーPAX核軍縮プログラム・マネージャー)

Susi Snyder【ユトレヒト(オランダ)IDN=スージー・スナイダー】

ついに核兵器が禁止され、違法化された。ほとんど信じられない思いだ。核兵器は、それが元々あった場所へ、つまり歴史のゴミ箱送りになったのだ。2017年7月7日からは、新しい現実が生まれた。核兵器を製造し、保有し、取得し、使用することを違法化する条約ができたのだ。しかし、核兵器禁止に向けた次のステップは何だろうか?

条約そのものがまずもって答えを与えてくれる。9月20日、核兵器禁止条約はニューヨークの国連本部で署名開放され、諸国は国別の批准手続きに入る。そして50番目の国が批准してから3カ月後に条約は発効し、批准したすべての国に関して法的拘束力を持つことになる。