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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER
核軍縮の行き先はなお不透明(セルジオ・ドゥアルテ元国連軍縮問題担当上級代表、パグウォッシュ会議議長)

Photo: Sergio Duarte speaks at the August 2017 Pugwash Conference on Science and World Affairs held in Astana, Kazakhstan. Credit: Pugwash.【ニューヨークIDN=セルジオ・ドゥアルテ】

人類は時代の夜明けから、戦争による悲哀や惨めさ、破壊の程を知っていたが、歴史上もっとも破滅的な軍事紛争は最近の現象だ。

1914年7月から18年11月まで続いた第一次世界大戦では、民間人や戦闘員を含めて約4000万人の命が奪われた。1939年から45年までの第二次世界大戦では7000~8500万人が亡くなった。こうした戦死者の推計には、捕虜としての死、病死、餓死など戦争関連の原因で亡くなったと考えられる人々も含まれている。

欧州に出没する新たな亡霊

Image credit: IDB-INPS Collage【ローマIDN=ロベルト・サビオ】

英国のテレサ・メイ首相が1月15日に欧州連合(EU)とまとめた離脱協定案を下院議会で圧倒的多数で否決されて以来、新たな亡霊が欧州に憑りついていることは明らかだ。それは、1848年のカール・マルクスの「共産党宣言」への道を開いた共産主義の亡霊ではなく、新自由主義型グローバリゼーションの失敗という亡霊である。新自由主義は、ベルリンの壁崩壊から2009年の金融危機までは向かうところ敵なし、といった状態だった。

2008年、各国政府は金融システム救済のために62兆ドルという巨費を投じた。また翌年の2009年に投じた額もそれに近いものだった(ブリタニカ年鑑2017年度版を参照)。米国連邦準備制度理事会の調査によると、当時、米国民は一人当たり7万ドルを失っている。

|書評|セミパラチンスク核実験場の真実(アルマス・ディシュコフ元カザフスタン外務省外交官、筑波大学大学院博士後期課程)

Former Nuclear Weapon Test Site of Semipalatinsk/Almas Dissyukov 【東京IDN=アルマス・ディシュコフ】

本書はカザフスタンのアケルケ・スルタノヴァという新世代の学者によって書かれたものです。

多くの日本国民は、冷戦の歴史と、米国とソ連の二大国間の対立の歴史を知っています。また、これらの国が致命的な核兵器を造り、近代化するために絶えず努力し続けていることをよく認識しています。広島長崎第五福龍丸の悲しい物語で、核兵器の力がどれほど破壊的で危険なのかを世界に知らせました。

|視点|コフィ・アナン―価値と理想のために犠牲を払った人物(ロベルト・サビオINPS評議員、Other News代表)

Photo credit: UN Photo/Evan Schneider. Second photo: Surrounded by family, former Secretary-General Kofi Annan’s widow Nane pays final respects to her late husband in Accra, Ghana on 13 September 2018. Credit: UN Photo/Ben Malor.【ローマIDN=ロベルト・サビオ】

この原稿の執筆にとりかかった段階で既にコフィ・アナン元国連事務総長の死から1カ月が経過していた。既に多くのことが書かれているので、今さらアナン氏の平和と国際協力への取り組みについて想起する必要はないだろう。むしろそれよりも、故人をより重大な文脈、つまり、大国がいかにして、国連事務総長の人格を損ない続け、国連システムの独立性を保とうとした人々にいかにして高い犠牲を払わせようとしたか、という文脈に置いて考察した方が意味があるだろう。

まずは、国連が、米国の強力な後押しを得て誕生した組織であることを忘れてはならない。第二次世界大戦に勝利した米国と連合国(米国の41万6800人の兵士と1700人の民間人の死者に対して、ソ連は2000万人以上の兵士と民間人を失った)は、あらたな世界的紛争の再来を避けることを願った。米国は、廃墟と化した世界の平和を通じて、自身の経済的・軍事的覇権の維持を可能とするような多国間システムの構築をめざした。国連予算の25%を負担することを約束し、その本部を国内に置くことを引き受け、前例のない程度の主権譲渡も認めた。

決して広島と長崎の悲劇を繰り返してはなりません。一人たりとも新たな被爆者を出してはなりません。(アントニオ・グテーレス国連事務総長)

Photo: Secretary-General António Guterres folds origami cranes with young Japanese leaders at the Nagasaki Peace Memorial. Credit: Dan Powell | UN Photo.

以下は、長崎での平和記念式典(8月9日)における、アントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージである。

【長崎IDN-INPS 

本日、この平和記念式典において、ご参列の皆様とともに、1945年8月9日に、ここ長崎で原子爆弾の攻撃で亡くなられたすべての方々の御霊に、国連事務総長として、謹んで哀悼の意を捧げられることを光栄に思います。今日ここにご参列の皆様、ならびに原爆のすべての犠牲者と生存者の皆様に対し、最も深い尊敬の念を表明します。

|視点|人間をカネで売るということ(フレッド・クウォルヌ放送作家・映画監督)

Photo credit: Tamer Yazar/Twitterアフリカ移民がヨーロッパに流入する際の主要ルートであるイタリアにおける移民論争を念頭に、ガーナ人の父とイタリア人の母の元でイタリアに育ち、今は米国に移住している著名な映画監督がIDNに寄稿した移住の裏にある人身売買の実態を訴えたコラム。本稿の内容は人身売買の問題について、著者がイタリア人の視点から記した個人的な見解であり、IDNの編集方針を必ずしも反映したものではない。

【ニューヨークIDN=フレッド・クウォルヌ】

人身売買によって世界各地のマフィアは1500億ドルを得ているが、そのうち1000億ドルはアフリカ人の売買によるものだ。女性の人身売買を1人行うごとに、ナイジェリアマフィアに6万ユーロが流れ込む。つまり、イタリアで1万人を売買すれば、(送出元の)マフィアの懐に6億ユーロが入る計算だ。しかし、実際にヨーロッパで待ち受ける運命を事前に知っていたら、わざわざヨーロッパへの渡航を望むアフリカ人などいないだろう。

核兵器禁止条約は核時代の終わりを照らし出す(レベッカ・ジョンソンICAN共同議長・アクロニム研究所所長)

Photo: The writer addressing UN Open-ended working group on nuclear disarmament on May 2, 2016 in Geneva. Credit: Acronym Institute for Disarmament Diplomacy.【ロンドンIDN=レベッカ・ジョンソン】

私たちがこの激動の時代を生き延びることができたなら、歴史は、2017~18年を、核時代の終わりを告げ、(望むらくは)平和構築と安全保障の始まりの時代と記録することになるかもしれない。

あまりにも長い間、つまらないナショナリズムが「男らしさ(マスキュリニティー)」という攻撃的な観念に武器を授け、暴力的な行動に対して権力や征服、物質的富という見返りを与えてきた。様々な帝国が栄枯盛衰を繰り返す中で、家父長制的な支配者たちが、本来人類が分かち合うべき地球上(陸海空)の生息環境を汚染し歪めてきた。地球のすべての生命を破壊する能力を持つ核兵器は、政治的権威や地位、そして奇妙なことに安全保障のための道具とみなされてきたのである。

難航が予想される国連事務総長の軍縮アジェンダ(ジャヤンタ・ダナパラ元軍縮問題担当国連事務次長

Photo: UN Secretary-General António Guterres speaks at the University of Geneva, launching his Agenda for Disarmament, on 24 May 2018. UN Photo/Jean-Marc Ferre.私たち共通の未来を守る』と題されたアントニオ・グテーレス国連事務総長の新たな軍縮アジェンダが発表されたが、「現在の行為主体(アクター)の下で、私たち共通の未来を守れる可能性は低い」、とジャヤンタ・ダナパラ氏は記している。ダナパラ氏はスリランカの元大使で、元軍縮問題担当国連事務次長である。「私たちは、行為主体の交代を待つか、失敗した交渉の瓦礫の中から新たな出発を模索するしかありません。しかしそれも、予測不能なトランプ大統領と金正恩北朝鮮最高指導者にかかっている。」とダナパラ氏は記している。

【キャンディIDN=ジャヤンタ・ダナパラ】

大々的に予告されていたアントニオ・グテーレス国連事務総長による軍縮アジェンダは、5月24日、ジュネーブ大学の学生たちの前で披露された。

尾崎行雄と立憲主義(石田尊昭尾崎行雄記念財団事務局長)

Takaaki Ishida/ Ozaki Yukio Memorial FoundationIDN東京=石田尊昭】

日本国憲法施行から71年を迎える今年は、憲政の父・尾崎行雄の生誕160周年でもある。尾崎は1890年の第1回衆議院議員総選挙から第25回まで連続当選し、60年以上にわたり衆議院議員を務めた。1912年の憲政擁護運動では犬養毅と共に「憲政の神」と呼ばれた。

「憲政」とは立憲政治のことである。立憲政治は、「多数国民の生命・財産その他の権利・自由を保障」することを目的に、「立法部の多数を基礎とする政党内閣」が行う政治だと尾崎は言う(『政治読本』1925年)。

ICAN、2019年の核兵器禁止条約発効を期待(ティム・ライトICAN条約コーディネーターインタビュー)

Photo: Tim Wright addressing the UN conference to ban nuclear weapons on behalf of ICAN on the second last day of negotiations on 6 July 2017. Credit: ICAN | Vimeo【シドニーIDN=ニーナ・バンダリ】

2018年に核戦力による威嚇が強まるのを世界が目の当たりにするなか、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、各国政府に核兵器禁止条約(核禁条約)への署名・批准を働きかける世界的な民衆運動を支援している。ICANの条約コーディネーターを務めるティム・ライト氏は、IDNのニーナ・バンダリ記者に、軍縮、核兵器のリスクと帰結に対する認識を高めること、そして今日の世界には核禁条約がなぜかつてないほど必要なのか、について語った。

ライト氏は、核禁条約が2019年中に発効することを期待している。彼は南北対話を開始した韓国の文在寅大統領の「優れたリーダーシップ」を称賛しつつも、「しかし、真の平和は、核兵器が、北朝鮮だけではなく、全ての国々による全面拒否に基づくものでなければならない。」と指摘している。また、ドナルド・トランプ大統領によるイラン核合意破棄については、「核不拡散の努力を阻害するもの。」と述べている。